肥大化・モノリス化するプロダクト開発組織を自律的で小さなチーム群に変えていく ―kintone開発チームの事例―
業務改善のためのクラウドサービスである kintone は2011年のリリース以来、10年以上にわたってアップデートを重ねてきました。おかげさまで特に国内では幅広く認知/導入いただき、今後、グローバル含めさらに飛躍したいと考えています。
そこで大きな課題となるのが開発上の負債やボトルネックです。プロダクトとともに開発チームも成長し、職能横断で約100名のチームになりました。その過程を通じて、
- コードベースの肥大化・モノリス化 → 変更に伴う影響範囲の増大、学習のしづらさ
- 開発チーム/組織の肥大化・モノリス化 → プロセス改善のしづらさ、オーナーシップの希薄化
- 技術のレガシー化 → 生産性・開発者体験の低下
といった負債が少しずつ蓄積し、無視できない状態になってきました。
われわれ kintone 開発チームは、これらの問題を克服し、さらにプロダクトを成長させるために
- モノリシックな組織体制から自律的で小さなチームへの移行
- コードベースの分割・リアーキテクティング
- フロントエンド実装の刷新とマイクロフロントエンド化
- Kubernetesベースでのインフラ刷新
などの改善に取り組んでいます。
本セッションでは、特に「自律的で小さなチームへの移行」の取り組みを中心にお話しします。目的意識、これまでの経緯、今後の展望について、他の取り組みとの関係にも触れつつ、具体的にご紹介します。背景となるチームの状況や文脈についてもできるだけお話しすることで、ご自身の現場や業務について考える上でも参考にしていただけたらと思います。
Outline/Structure of the Sponsor Talk
- 開発チームのこれまでの歩みと課題
- 現在の取り組み
- 「自律的で小さなチームへの移行」の取り組みについて具体的に紹介(目的、経緯、今後)
Learning Outcome
100人規模に成長したプロダクト開発チームのボトルネックを改善するための「自律的で小さなチームへの移行」というアプローチについて、具体的な事例を知ることができます。
Target Audience
プロダクト開発組織の肥大化・モノリス化による弊害・ボトルネックについて考えている、あるいは今後考えるであろう方。
Prerequisites for Attendees
必須な事前知識ではありませんが、セッションの中で
- 逆コンウェイ戦略 / チームトポロジー
- モチベーション3.0
の概念について、説明した上で触れる予定です。