3 Amigosの考え方で、独立したQAチームがアジャイルテストチームになるまでの話
私たちのQAチームは、楽天のコマーステックという部署で独立したテストチームとして活動していました。様々な開発部署からテストの依頼を受け、プロジェクト単位でテストをする部署です。
そんな中、昨年大きな転機がありました。組織変更でQAチームがそれぞれの開発部署に移動することになったのです。私たちの移動先はECインキュベーション開発部(略してECID)。ECIDは、フリマアプリや中古車販売など、楽天の中でも比較的新しいサービスを多く持っており、スピード感と品質の両面が重視される組織です。また、スクラム開発を始めとして様々なことに挑戦している、挑戦風土のある組織でもあります。
せっかくそのような開発組織に来たので、開発チームと近いところでテストチームが活動することのメリットを活かそうとしました。ただ、実際にやろうとするとQAと開発チームとの間で期待値にギャップがあったり、うまくいかないことが多々。
そこで私たちが考えたのが開発チームとの関係性の見直しです。QAが開発チームの朝礼や開発者テストに参加することで継続的にコミュニケーションを取り、その中で何ができるのかを探っていきました。
その結果、辿り着いたのが開発チーム・ビジネス・QAが協業するという、3 Amigosの考え方です。3 Amigosの考え方の下で、まずは開発チームとの連携を強めるために、これまで別々にやっていた不具合調査をQAと開発チームで一緒にやったり、開発者と一緒にテストをしたり、様々な活動をして、結果としてプロダクトの品質は大きく向上しました。
取り組みが上手くいったので、この手法を広げるために3 Amigosを要素分解して横展開する仕組化にも挑戦しました。
このセッションでは、独立したQA組織から、どのようにしてアジャイルなテストチームを作っていったのか。また、独立したテストチームと開発組織内のテストチーム、双方の良さを取りながらテストチームを運営していく上での私たちの工夫を、実体験を交えてお話しします。
Outline/Structure of the Talk
- 独立したテストチーム時代の組織とテストプロセス
- アジャイルテストチームになるまでの悩みと挑戦
- 発注者・受注者の関係性を変えられない悩み
- 第三者の支援による、開発チームが必要としていることへの気づき
- 3 Amigosの考え方との出会いと、チームへの実装による品質の変化
- 不具合の作りこみ防止による不具合発生率の低下
- テストスコープの最適化によるQAコストの削減
- 3 Amigosを横展開するために始めた、ベストプラクティスの”要素分解”
- 開発フェーズ毎の3 Amigosのベストプラクティスを洗い出し
- 各プロダクトに適したベストプラクティスの適用
- これらの活動を通しての学び
- 関係性構築の大切さ
- 画一的な仕組化は機能しない
- 第三者の目の大切さ
Learning Outcome
- 画一的な仕組化に頼らず、独立したQAチームからアジャイルテストチームにする方法
- 3 Amigosの考え方をテストチームに実装する方法
Target Audience
テストチームと開発チームの関係性をより良くしたいと思っている方 / アジャイルの考え方を取り入れたテストチームの作り方を知りたい方