「エセ自己組織化」症候群から脱却し、約束を守るプロフェッショナルなアジャイルチームになるには -アジャイル時代のマネジメント進化論-

location_city Tokyo schedule Jan 11th 04:15 - 05:00 PM JST place 1F Room C (92) people 54 Interested

先日、とあるカンファレンスで「アジャイルって言うと、白い目で見られる」といった発言があり、今どき珍しいなぁと思いました。

……と同時に、私には少なからず心当たりがあります。事業会社のエクゼクティブや非アジャイルな同僚が「アジャイル」や「スクラム」と聞いてため息をつくとき、それは過去の経験からー

  • 「やりたいことだけやりたがるエンジニア」
  • 「自己組織化を盾に約束を守らないチーム」
  • 「待てど暮らせど成果がでないチーム」

ーなどを思い出すのです……

そもそもエクゼクティブは、それほど開発プロセスにこだわりがありません。

これは関心がないということではなく「ビジネスで結果を出してくれさえすれば良い」と考えているからです。ですので、大抵のチームは開発手段について一任されており、求められる開発スピードを考えて「アジャイル」や「スクラム」を選択するチームが増えているのだと思います。

だがしかし。

本気でスクラムにチャレンジした方なら経験していると思いますが、プロダクトがアウトカムを達成しビジネス的な結果が伴うまではかなりの時間(とお金)がかかります。この「結果が出るまで」の時間を、首を長くして待てるエクゼクティブは案外少ない……ということにエンジニアは気づかないことが多いです。これはエクゼクティブがせっかちという事ではなく(せっかちな場合もありますが)、世の中の変化が早いので、チームにはそれだけスピードが求められている時代ということです。

そして、スクラムという手段はときにチーム内に「変な高揚感」という病気を蔓延させます。

この病気にかかると、伸びないベロシティを無視したり、POからの要求を議論なく棚上げしたり、スプリントレビューで完成していないPBIがあっても気にもとめず、ビジネスマネジャーはリスクを管理せず、スクラムマスターは「ポンポン」を振って応援するだけ……のような症状を起こします。

これを私は「エセ自己組織化」症候群と呼んでます。

本来、「市場の要求を早く実現するため」「実験を繰り返し勝ち筋を見極めるため」にスクラムという手段をとったはずであり、「結果を出せ」は(良い意味で)最大のプレッシャーであるはずです。

ところが「今の時代アジャイルだよね」「会社がスクラムでやれって言ったから」「定時で帰れるってよ?」「だってワクワクするじゃん?」といったマインドで日々をすごしていると、本来はビジネスを成功させるためにスクラムという手段をとっていたことを忘れてしまうのです。

では、こうならないためにはどういった改善をすれば良いのでしょうか。私たちは以下のように考えています。

  1. エビデンスベースの計器飛行ができるように、計測とビジュアライズを徹底する
  2. スクラムマスターを含むチーム全体のマネジメント力向上
  3. プロダクトに関わるすべての人が、イヌワシのような視座をもつ

上記を踏まえ、いま、株式会社ビズリーチで取り組んでいる改善活動について紹介したいと思います。

 
 

Outline/Structure of the Talk

  • 自己紹介
  • 前提:組織の紹介
  • 「エセ自己組織化」症候群とは何か
  • 処方箋
    • エビデンスベースの計器飛行ができるように、計測とビジュアライズを徹底する
      1. 経営層が経営判断できるための材料を可視化し、状況把握や課題発見を助け、事業の成長とプロダクト開発の因果関係を見いだす。(多くの企業が行っている)予算経営はアジャイル的ではなく「計画ドリブン」である。しかし実際は「投資」もしているわけで、これをうまく分けて判断出来るようにならなければならない。つまり経営のアジャイル化を目指す。
      2. 初手として「LeanとDevOpsの科学」で有名なDORA(DevOps Research and Assessment: Google Cloud)Explore DORA's research programState of DevOps Reports に基づき、Four Keys の計測並びにチーム・ケーパビリティの測定を行いソフトウェアプロセス改善の輪を回転させる。
        DevOpsDays Tokyo2022 ファクトから始める改善アプローチ 〜「LeanとDevOpsの科学」を実践して〜
      3. しかし、Four Keys の計測だけでは「組織的能力」の一部しか測れないためプロダクトのアウトカムや品質の定量的計測を中心とした「市場価値」(=アウトカム)も計測し、ファクトを元にマネジメント出来るようになる必要がある。そこで エビデンスベースドマネジメント(EBM)と呼ばれるガイドを参考にこれを組織に実装する。
      4. 徐々に、至るところで計測が進みエビデンスデータが集まり始めたとしても、それらをうまく情報放射(ラジエート)しなければ透明性が高まったと言えない。如何にフィルタリングとビジュアライズを進めるかが鍵となる。そのため、我々はEBMに見合うBIツール群の比較を徹底的に行い、透明性向上を目指す。
    • スクラムマスターを含むチーム全体のマネジメント力向上
      1. 「ティール組織」で有名な5つの組織モデルに照らし合わせれば、レッドやアンバー、オレンジの組織に対してアジャイル文化を根付かせるには非常に難しい。実際、組織の進化を無視してスクラムを導入しようとしても組織課題、言い換えれば「文化的負債」が山積みとなる経験をした。カルチャーマネジメントを無視してアジャイルマネジメントは醸成できないので、組織開発視点のチェンジマネジメントを優先させる施策を取る。
      2. ひとつの指針として、Michael Sahota 氏カルチャー・ダイアグラムを通して構造(組織構造やプロセス)よりも意識(マインドセットや人の行動)を変えるほうが重要と説いており、我々はこれを共通理解として注意深くチェンジマネジメントを行う。
        Culture-Model-Bubble.jpg
      3. 清水吉男氏は「発注先の能力は、発注元の能力を超えられない」と説いた。これは、たとえ無自覚だったとしても「立場が上」側の能力に、物事を進める能力は多大な影響を受けるという真理だ。これは組織にも当てはまる。Michael Sahota 氏 は、組織の成長はリーダーの意識に制約されると説いている。つまり、肩書はともかく、組織内のリーダーを育成し鍛えるのことこそが、エセ自己組織化からの脱却方法である。
        Leader-is-Limit-1024x478.png
      4. スクラムの文脈では「自己組織化」は本来スクラムマスターの仕事である。Zuzi Sochova 氏 はスクラムマスターのコンピタンス8つのうち、コア・コンピタンスとして「ビジネス知識」「チェンジマネジメント」「技術知識」を挙げている。「ポンポン」を振るだけのスクラムマスターにならないよう、これらコア・コンピタンスの習得が出来るよう組織開発をする。
      5. (スプリントプランニング以外の)計画とリスク管理をないがしろにするチームは少なくない。これはプロダクトマネジメントとプロジェクトマネジメントをあまりにも「違うもの」として扱ってしまった弊害があると思う(もちろん双方は目的が違う)。我々のような事業会社はプロダクトのアウトカム向上とリスク管理がプロダクトマネジメントのキモであるが、スクラムガイドはあえてこれらに言及していない。ビジネス視点を持つ強いスクラムチームを増やすためにプロダクト・プロジェクトマネジメントの能力を高める施策を実装する。
    • プロダクトに関わるすべての人が、イヌワシのような視座をもつ
      1. 視座を高めるとは、今よりももっと経験を積み豊かな知識を得ることが近道である。これは個人の努力にとても依存する話ではあるが、組織的なバックアップは可能だ。そこで、組織メンバーが誰でも閲覧できる「Playbook」を作成することとした。Playbookとはアメフト用語で、事前に相手チームの作戦を想定し、それにあった作戦をできるよう細かく書かれた定石集ともいえる。組織が持つ暗黙知を表層化させSECIモデルの中心として機能するように実装する。
        SECI_model_ja.png
      2. Playbookでは、暗黙知だけでなく社内外で取り組まれているグッドプラクティスをガイドライン化し蓄積・引用できるようにする目的もある。
        64_main.jpg
      3. 最新のPMBOK 第7版の内容は「デリバリーを守るためのマネジメント」から「価値を届けるためのマネジメント」に変様した。このようにプロジェクトマネジメントはアジャイル化しており、これを利用しない手はない。そこで、アジャイルなプロジェクトマネジメントをプロダクトフェーズに合わせとりこめるようガイドラインを作る。
      4. さらに、事業会社のスコープには事業計画立案フェーズや作ったプロダクトのベネフィットを向上させ事業の価値を創造するフェーズがあるが、PMBOKはここをカバーしきれていない。そこでヨーロッパを中心としたマネジメント手法である PRINCE2 を参考にした事業マネジメントガイドラインを作る。
        PRINCE-2-Process-Model.gif
  • ビズリーチのSODA構想とは
    • 上記の処方箋を「実装」するうえで、組織をアーキテクチャとみなし「設計」し図式化した。これを Software Outcome Delivery Architecture (SODA) と名付けた。
    •  そして、このSODAをベースとして以下のプロジェクトを立ち上げ我々は「実装」を開始した。
      • SODA::Evidence Viewer PJ          プロダクト開発チームのファクトデータを見える化する
      • SODA::Outcome Delivery PJ        プロダクトごとのアウトカム指標を見極め計測できるようにする
      • SODA::Team Performance PJ     Four Keysの計測をすべてのプロダクトに定着させ改善サイクルを作る
      • SODA::Playbook PJ                       プロダクトに関するナレッジベースを作成しSECIモデルを作る
      • SODA::Quality Value PJ                プロダクトごとの重要な品質指標を見極めフィードバックプロセスを増やしプロダクト品質を向上させる
  • 今後の展望

Learning Outcome

  • アジャイルな開発の効果が見えない・うまく行かないときの改善策
  • わいわい騒いで言うことを聞いてくれないエンジニアと対話する方法
  • エクゼクティブにアジャイルな開発をやりたいと説得するときのロジック

Target Audience

ビジネスを成功させたいエクゼクティブ、マネジャー、スクラムチーム

schedule Submitted 7 months ago

  • Yoshimasa Iwase
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    Yoshimasa Iwase - なぜ変化を起こすのが難しいのか? - 数年以上に渡って難しさに向き合い考え取り組んできたこと / The reason why changing organization is so hard - What I thought and faced for more than several years

    90 Mins
    Keynote
    Beginner

    組織変革の必要性や方法論は現代に限ったものでなく、古くから研究実践があるテーマです。書籍やWebを探せば方法論をすぐに見つけることができます。では、その方法論を使えば実際に組織に変化が起こるのか、というとそんなに簡単な話でありません。

    本当に難しいのは、「正論・方法論はわかったけど、それをどうやって実践するのか?」「どうやって実行(Execution)していくのか?」という点です。例えば、「今までのやり方じゃダメだ!これからはこうやるんだ!」と突然取り組んだとしても、周囲のメンバーがついてきてくれなければ変化は起こりません。起こったように見えても表層だけでしょう。

    発表者のように歴史がある企業で変化を起こそうとする場合、数十年以上(場合によっては100年以上)に渡って蓄積された文化・制度に向き合う必要があります。本キーノートでお話しする内容は、まさに発表者が向き合ってきた内容や考え方です。つまり、蓄積された文化や制度により良い状態へ変化を起こすべく取り組んできた施策・変化が難しい要因・実際に上手くいったこと、いかなかったこと・学んだことをお伝えします。

    最後に日本型企業で難しさに向き合う個人としてのキャリア観をお伝えして終わります。

    Goal of this talk

    本発表をお聞きいただいた後に、皆様の状態が以下となることを狙います。

    • 日本的な企業で変化を起こすための考え方・プラクティスを知っている
    • 変化を起こすために必要なマインドが高まっている
    • 何より勇気づけられている
  • Zuzi Sochova
    Zuzi Sochova
    Agile Coach and Trainer
    sochova.cz
    schedule 7 months ago
    Sold Out!
    90 Mins
    Keynote
    Intermediate

    Unleash Your Agile Leadership Potential and Guide Your Entire Organization Toward Agility

     

    Leadership is one the most significant challenges to business agility adoption faced by

    organizations. Leadership is a key factor―individuals who welcome complexity and know how to leverage influence, culture, and organizational design to align widely distributed teams are integral to success.

  • SHIMPEI TAKAHASHI
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    SHIMPEI TAKAHASHI - [招待講演] どうすれば新しいアイデアが生まれるのか

    SHIMPEI TAKAHASHI
    SHIMPEI TAKAHASHI
    Toy Creator
    Usagi Inc.
    schedule 9 months ago
    Sold Out!
    45 Mins
    Talk
    Beginner

    ※以下、招待講演の提案です。

    【概要】

    新しいアイデア、特に行動に移して価値を生むことができるアイデアとは、人の欲求を満たすアイデアである。
    本講演では、「個人的欲求起点」というアイデア発想法を丁寧に解説しながら、商品開発やものづくりに役立つ考え方を提案する。

     

  • Ryutaro YOSHIBA (Ryuzee)
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    Ryutaro YOSHIBA (Ryuzee) - スプリントレビュー Deep Dive

    45 Mins
    Talk
    Beginner

    ★★★Deep Diveシリーズ第3弾!!★★★

    Deep Diveシリーズでは、主にスクラムを始めたばかりの人、実践しているもののこれでいいのか?と不安を持っている人に向けに、スクラムの要素を詳細に解説しています。

    これまで以下の2つをお届けしてきました。

    シリーズ3作目となる今回は、「スプリントレビュー」についてです。

    スクラムの3本柱である透明性、検査、適応は、スクラムのあらゆる役割やイベント、作成物に関係します。
    作成物の1つであるインクリメントも当然対象となります。そして、インクリメントの検査と適応の場が、スプリントレビューです。
    不確実性の高い問題の解決に取り組んでいる私たちは、スプリントレビューを通じて、自分たちが作っているものが正しい方向に向かっているのかを短い間隔で検査し、学習した内容や環境の変化を踏まえて、適応していかなければいけません。

    アジャイルマニフェストには「包括的なドキュメントよりも動作するソフトウェアを」という項目があります。
    これが意味するところは、現物の重要性です。私たちはビジネス上の目標を達成するためにプロダクトを作っています。充実したドキュメントがたくさんあっても、プロダクトをユーザーに渡せなければ無意味です。プロダクトを使うユーザーがいなくても無意味です。プロダクトを使ったユーザーが、自分たちの課題を解決できなくても無意味です。
    つまり、プロダクト(動作するソフトウェア)は核となるものであり、定期的にプロダクトそのものや、プロダクトに加わった変化(インクリメント)を実際に検査し、適応し続けなければいけません。

    一方で、スプリントレビューが単なる進捗報告の場であったり、意味のある検査ができないようなものを披露していたりするような現場をたくさん見てきました。
    これではスプリントレビューの意味がありません。
    スプリントレビューはスクラムのイベントのなかで、いちばん重要なイベントです。このイベントをうまく運用できるかどうかで成果は大きく変わってきます。

    以下に挙げるようなスプリントレビューの鉄則をはじめとして、スプリントレビューを圧倒的に効果的に活用するための基本から応用まで、Scrum Alliance認定スクラムトレーナー(CST-R)、認定チームコーチ(CTC)の吉羽が体系的に解説します。

    • なにはともあれインクリメントを見せろ
    • フィードバックを得られるようなインクリメントを用意しろ
    • スプリントレビュー直前にインクリメントに手を入れるな
    • プロダクトの状況や進捗を表す簡単な資料を用意しろ
    • デモはプロダクトオーナーと開発者全員ができるようにしておけ
    • スクラムチームの外側のステークホルダーを呼べ
    • スプリントゴールに応じて、どのステークホルダーを呼ぶかを選べ
    • スクラムチーム全員が参加しろ
    • スプリントレビューのやり方を改善しろ
    • スプリントレビューから逆算してスプリントプランニングしろ
    • スプリントレビューの会話のメモを取っておけ
    • スプリントレビューで「次のスプリントで対応する」とかコミットするな
    • そのスプリントで何も完成しなくても、スプリントレビューをスキップするな
    • とはいえ、とにもかくにもインクリメントを提示できるようにしろ

     

  • Yoh Nakamura
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    Yoh Nakamura - Outcomeにフォーカスするチームへのジャーニー

    Yoh Nakamura
    Yoh Nakamura
    Agile Coach
    レッドジャーニー
    schedule 9 months ago
    Sold Out!
    20 Mins
    Talk
    Intermediate

    アジャイルは"プロダクトそのものをうまくつくる"だけでなく、その"多くの人にそのプロダクトが使ってもらい、使い続けてもらうようにする"というのも含まれていると考えます(もちろん、そのプロダクトを提供し続けるような対価を得ることも含みます)

    どうやったら使い続けてもらうか?を見つける活動の1つに仮説検証があります
    仮説検証が十分でないと、ただ闇雲に開発し、OutcomeのわからないOutputを生み出し続けてしまうこともあります

    では、仮説検証と開発をどのように進めていくと良いのでしょうか?
    スキルセットの違い、活動のサイクルの違い、仮説検証と開発のつなぎ方、開発から仮説検証へのフィードバックループなどいろいろなトピックがあります
    すべてをいきなりできるわけではなく、段階的に学んでいく作戦も必要になります

    このセッションでは、「Outcomeにフォーカスするチームへのジャーニー(旅路)」を歩んでいるいくつかの現場のチームの事例を中心に、レッドジャーニーのアジャイルコーチとして80チーム以上を支援してきた自分なりの経験や考えをお話します。

    ※RSGT2022のプロポーザルをベースにこの1年の経験でアップデートした内容でお伝えします。

  • Tsuyoshi Ushio
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    Tsuyoshi Ushio - ログの書き方がチームの生産性を爆上げする話

    45 Mins
    Talk
    Intermediate

    ソフトウェアサービスの開発、運用にかかわっていると「ログ」は開発チームの生産性を左右する重要な要素だと実感します。ところが、「ログ」をどのような観点で書けばよいのか?ということに関してはあまり良いガイダンスを見かけません。本セッションでは具体例や効果を示しながら、インシデントの対応時間を激減させ、インシデント対応の自動化を促進するための「ログ」のベストプラクティスをご紹介いたします。

  • Kazuki Mori
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    Kazuki Mori - Effective Retrospective++~楽しいだけじゃない、次の一歩を自分で踏み出し続けられるふりかえりへ~

    45 Mins
    Talk
    Beginner

    ふりかえりを少しでも好きになってほしい

    みなさん、ふりかえりは好きですか?私は大好きです。
    ふりかえりに苦手意識を持っている?なるほど、わかります。実は私も最初はそうだったんです。
    そんなあなたにも、ふりかえりを少しでも好きになってもらいたくて、このセッションで話します。

    ふりかえりは、チーム全員で立ち止まり、チームがより良いやり方を見つけるために話し合いをして、チームの行動を少しずつ変えていく活動です。後ろを向いて反省会をしたり、凹んだりする活動ではありません。みんなで前を向いて、たくさんアイデアを出して、未来を描いていく、未来を現実に近づけていく活動なんです。きっと、その違いにギャップを感じている人もいることでしょう。

    このセッションでは、ふりかえりに悩める・停滞感を持つみなさんが、新しい一歩を踏み出せるような、勇気をもらえるような内容にしたいと思います。

    国内のふりかえりの悩みの変遷を追って

    私はふりかえりエバンジェリストとして、これまで100を超える様々な現場でのふりかえりの悩みに向き合い、寄り添ってきました。また、この5年間、TwitterやFacebookや各種ブログを追い、ふりかえりに関する発信の観測を続けてきました。この活動を続けているうち、徐々に発信の内容・質が変わってきたのを実感しています。

    以前は

    • ふりかえりがうまくいかない
    • 人が参加してくれない
    • KPTでKeepが出ない/Problemばっかり出る
    • 意見が出にくい

    といった、導入や進め方に関する悩みを持つ方が非常に多かったです。
    はじめの一歩踏み出そうとしても、一歩踏み出せない。そんな悩みが、いろんな現場から上がっていました。
    そんな人たちに向けて発信したのがRSGT2019の「Effective Retrospective~とにかく楽しいふりかえり~」です。

    ふりかえりの目的にフォーカスし、まずは立ち止まること。そしてチームの成長にフォーカスすること。
    場づくりから始めること。学びを大切にし、ふりかえりを前向きな活動としてとらえること。

    ふりかえりそのものに持たれていたネガティブなイメージを払しょくし、ポジティブな活動へとのイメージが持てるような内容にしてきました。

    ただ、ここ1-2年の発信を見ていると、面白い変化が生まれています。

    • ふりかえりは当たり前に続けているけれど、マンネリ化していてどうすれば
    • 〇〇の手法はうまくいかなかったから、他にいい手法はないの?
    • 新しい手法にチャレンジしてみた
    • ふりかえり手法を自分たちで生み出してみた
    • ふりかえりをふりかえったらこうなった
    • うちの現場のふりかえりはこういうことをしているよ

    そう、初めの一歩を踏み出したあとに、更なる一歩を踏み出すためにはどうすればいいのかといった悩みや、一歩一歩前に進み続けている人たちの発信が増えているのです。この変化はとても興味深いです。ふりかえりカンファレンスでも、2021, 2022と回を追うごとに、プロポーザルの内容が上記と同じ変化が起こっているのです。

    この一因として、ふりかえりそのものの認知が広がってきたことや、各種書籍やブログなどから参照できる情報源が増えたこと、があるでしょう。

    ふりかえりを始めた先に見える道を、一歩ずつ歩いていくためのHOW

    この変化は、急激で難しい変化ではありません。今このセッションの概要を読んで、「私はふりかえりはまだまだうまくいっていないな」というあなたにも、先人たちが切り開いてきた道が既にあります。

    今回は、「Effective Retrospective~とにかく楽しいふりかえり~」の考えをさらに拡張したセッションです(※読んでいなくても大丈夫です。安心してください)。

    ふりかえりは楽しい、前向きな活動だということはなんとなくわかっている。
    それを、実現するためにどうすればいいのか?一歩を踏み出している人たちは何をしているのか?

    このセッションでは、ふりかえりという果てしなく続く道を歩いていくための、心強い装備(HOW)をあなたに提供します。
    ふりかえりを始めたばかりの人でも、新しい知見を得たい人にも。あなたのふりかえりを変えるきっかけが、ここにあります。

  • Yamato Naka
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    Yamato Naka / Kaori Tokiwa / Manabu Shibahashi - 体感しよう、狼狽と不安と希望と安堵に満ちた共感を 〜仲間の内面から自分と対話〜

    100 Mins
    Workshop
    Intermediate

    私が経験した中でもっともハードな「人の気持ちになるワーク」をRSGTの参加者の皆さんだからこそ届けたい。
    説明や本だけでは得られない実感を味わい、見えていたのに見ていなかった視界を手に入れて下さい。

    スクラムやアジャイルに限らずさまざまな場面で「共感する」「相手の気持ちになる」「相手の立場になる」という言葉を聞きます。いったいどうなれば「共感する」「相手の気持ちになれた」「相手の立場になれた」と言えるのでしょうか?この問いに対して、私が持つ一つの答えであるワークショップを行います。

    RSGTを終えたあと
    1on1や家族との対話で今まで以上に相手の考えが理解できるようになったら嬉しくありませんか?
    同僚の内面から自分を見て、同僚に伝わる言葉を使えたら嬉しくありませんか?
    「お前は人の気持ちがわからない」と言われていたのに、人の気持ちがわからないのは「お前は人の気持ちがわからない」と言っている人だったと気づけたら、対策が取れるようになりませんか?

    このワークショップでは実際に相手の立場と自分の立場のそれぞれに自分で立って対話をしてもらいます。有意識下では「気づいていなかった」「気づきたくなかった」相手や自分の考えや主張が見えてきます。あくまで貴方が持っている相手の情報から相手を推測するに過ぎません。しかし、無意識ではわかっていた、気づいていなかったことはたくさんあります。今、時点でわかり得る情報を元に全力で「相手の気持ち」を考えてみましょう。

    • ある人は上司と向かい合い、上司が常々言っている良い評価を受け止められるようになった。
    • ある人は配偶者と向かい合い、目を瞑って避けていた配偶者の思いを少しずつ受け止められるようになった。
    • ある人は義母と向かい合い、夫婦と義母の軋轢を解消する糸口を見つけ出した。

    このワークショップでは、参加者ペアで行い、参加者にとって実在する相手を題材に行います。大っぴらに言いづらい事を言わざるを得ない場合があるのでご注意下さい。お互いの加えて守秘義務を守ってご参加下さい。

    体感してもらう場であり、やり方を教授する場ではありません。やり方を身につけたい方は専門家の支援を受けてください。

  • Yasunobu Kawaguchi
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    Yasunobu Kawaguchi / amix edcolor / Iwao Harada / Kei Ogane / Norihide Fujiki / Ryo Tagami / Yuichi Tokutomi - 品ジャイルラジオ! カンファレンスの廊下を実況中継してオンラインとオンサイトと外の人をつなげます。

    45 Mins
    Talk
    Intermediate

    スクラムマスターは、開発者(たち)を信頼し、チームとして価値あるプロダクトを生み出すことを信頼し、環境を整えます。私たち品川アジャイルは、スクラムフェスやRSGTやDevOpsDays Tokyo といったカンファレンスにおいて、実践者の皆さんが活発に意見を公開し、よりよい未来を作っていただくため、技術面で勝手にお手伝いしています。ボランティアベースなので、お約束はできませんが、できる範囲で勝手にやっています。

    カンファレンスは廊下こそ重要と、私たちは信じています。スピーカーと、廊下でセッションでは語られない裏話や、どうしてそういう活動をしたかなど、哲学(ケツバット)を語り合う。ほかの実践者と、哲学(ケツバット)を語り合う。そうした体験が、さらに次なる実践へとつながっていくと信じています。

    哲学(ケツバット)について
    https://twitter.com/kawaguti/status/1529340838358048768?s=20&t=9TKkfEIXtKRF7_rXgQ13GQ

    ハイブリッドカンファレンスでは欠かすことができない、廊下の放映を提供したいと考えています。よろしくおねがいいたします。

    「発表も好きですが、整理されていない対話の中で出てくるその人の思想、哲学みたいなものが好きです。
    それがよく出てくるのが廊下だと思っていて、それを世の中にみんなが見られる形で残せればなと思ってたりします。それが私のケツバットです。」

    https://twitter.com/bayashimura/status/1542480802658652160?s=21

    今回のゲスト(予定、随時更新)

    • furoshiki.fmのみなさま
    •  

    過去の放送は、links欄にあります。

    ※品川アジャイルの活動は、ボランティアで行っていますが、機材や旅費などのサポートをスクラムフェス大阪、新潟、三河、仙台、スクラムギャザリング東京(RSGT)、DevOpsDays Tokyo の収益の中からサポートをいただいています。ありがとうございます。

     

  • Hiroyuki Ito
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    Hiroyuki Ito / Shigetaka Kumagai - 「笑顔の合意」のテクニック - 噛み合わない会話と対立を克服するための、エモさを排した実践的なスキルと技法 -

    45 Mins
    Talk
    Intermediate

    お互いの論点がずれていて、会話が一向に噛み合わず、時間ばかりが過ぎていく。あるいは、「あの人の言っていることはいつも訳が分からない」「あの人とは相容れない」と憤った経験は、多かれ少なかれ皆さんも経験されたことがあるのではないでしょうか。また、このような会話や対立を「空中戦」と表現するのを見聞きしたことあるのではないでしょうか。

    ※以下、「噛み合わない会話と対立」の意味で「空中戦」と表記します。

     

    こうした「空中戦」は、output/outcomeを出せずチームや個人のパフォーマンスを低下させるだけではなく、チームや個人のストレスを高め、チームの分解や離職のリスクにもつながり得ます。

    一方で「空中戦」には、ある一定のメカニズムがあります。これを理解することで、解決を図ることは十分可能です。加えてそれらの方法は、後天的に習得できる、再現性のあるスキル・技術です。

    このセッションでは、「空中戦」を終わらせ、相互理解や合意に辿り着けるようにするためのスキルおよび技術を、アンガーマネジメントNVC(Nonviolent Communication)マインドフルネスの3つの観点から、講演者自身の実践事例を含めて、「エモさ」を抜きに整理しお伝えします。

    このセッションの内容を通じて、一人でも多くの方が「空中戦」を克服し、自信を持って行動しoutput/outcomeを出し続けられるようになり、結果多くの人の笑顔を花咲かせられるようになれば幸いです。

  • Michael Migliacio
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    Michael Migliacio - Transforming Your Tech Talk: Sharing Technical Information With Non-Technical Audiences

    20 Mins
    Talk
    Beginner

    "There is nothing dumb - or easy - about making complicated information accessible to an audience." - The Buckley School

    Transforming Your Tech Talk is designed to share the process behind crafting presentations that successfully make deeply technical information accessible to audiences of all backgrounds and experience levels. No matter your job title or level, effectively communicating information can be a career game-changer.  The techniques you learn here will help you take everything from team presentations to pitches to leadership, and even conference talks, to a brand new level!

  • Takao Oyobe
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    Takao Oyobe - The Stable Team - 機能する安定したチームをつくる -

    45 Mins
    Talk
    Advanced

    「安定したチーム」は、機能するチームの前提条件として様々なところで紹介されています。

    「真のチーム」の必須条件  
    1.課せられた「仕事」が明確なこと  
    2.チームの内と外を隔てる「境界」も明確なこと  
    3.仕事のやり方を管理する「権限」が具体的に決められていること  
    4.メンバーの顔ぶれがあまり変わらない「安定性」があること
    『ハーバードで学ぶ「デキるチーム」5つの条件』

    安定したチームは、チームのキャパシティを知ることができるため、ビジネスの予測をしやすくなります。
    『STABLE TEAMS - Scrum Patterns -』

    長続きするチームに仕事が流れ込む
    『Team Topologies』

    なんとなく安定したチームがよさそうであることは多くの方が同意されることでしょう。

    一方で、目の前にある現場のチームを見てみると、

    • 受託開発をしていて、案件ごとにチームが組成されるのでチームが長続きしない
    • 組織的にはチームになっていても、個人商店化していてチーム感がない
    • 組織の都合でメンバーの入れ替えが定期的に起きてしまう
    • メンバーはほぼ固定されたチームになっているが、うまく機能していない

    など安定したチームとは程遠い現実が拡がっています。

    安定したチームが理想であることはわかるものの現実とのギャップがあると、自分には縁遠いものだととらえてそこで思考を止めてしまいたくなります。


    でも待ってください!

    メンバーを固定できない状態では安定したチームをつくることはできないのでしょうか?
    メンバーを固定さえできれば安定したチームをつくることができるのでしょうか?

    これに似た構図を私たちは知っています。
    そうです、アジャイル開発です。

    私たちは変化が多い状況でも思考停止せずに現実を受け止め、変化に対応してチームで協力して価値を生み出し続けることを目指すアジャイル開発に共感をし、コミュニティに勇気づけられて、現場で行動し続けています。

    チームづくりにも同じことが言えるのではないでしょうか。


    Silver Bullet Clubは、2016年にチームが結成されて現在に至るまで6年以上存続しているチームです。そこだけ切り抜くと安定したチームのように見えるかもしれません。ところが実際には、2回のチーム転職を経て、会社も変わり、一緒に仕事をするメンバーが変わり、仕事のドメインが変わり、常に様々な変化の中にいました。

    変化が多い状況でも諦めずに、Silver Bullet Clubであり続けようとしました。その活動の中で、安定したチームとはどのようなチームなのか徐々に理解ができ、機能する安定したチームになるための具体的なアイデアを試行錯誤してきました。

    本セッションでは、安定したチームとはどのようなチームなのかを解説し、変化が多い状況の中で機能する安定したチームをどのようにつくっていくのかについて知ることができます。

    様々な変化がある難しい状況の中でも諦めずに、機能する安定したチームを目指したい方はぜひご参加ください。

  • Teng Daniel
    Teng Daniel
    Awakener
    セレンディピティ㈱
    schedule 8 months ago
    Sold Out!
    45 Mins
    Talk
    Advanced

    I am going to share a case study of how we as coaches kick start a large scale agile transition and supported the product teams in the one year journey in the transition in FDA (Food & Drugs Administration) regulated organisation in healthcare industry.  The product teams include members with software, electrical and mechanical background. I will share how the transition get started, what are the phases during the journey, what are the main problems we try to address and what we did to achieve significant success. 

  • masafumi takarada
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    masafumi takarada - 人や組織を取り巻くシステムに刺激を与えるマインドセットとしてのManagement 3.0

    masafumi takarada
    masafumi takarada
    manager / 鬼神scrum master
    -
    schedule 8 months ago
    Sold Out!
    45 Mins
    Talk
    Beginner

    2022年夏は「マネジメント3.0」「マネージング・フォー・ハピネス」と、これまで待ちに待たれた(はずの)Managemenet 3.0の翻訳本が立て続けに出版され、日本にとってのManagement 3.0元年とも言える年になった(か現在進行形でなっている)のではないかと思います。

    このセッションでは、翻訳者として「マネージング・フォー・ハピネス」を出版した立場から、Management 3.0の基盤となる考え方/捉え方に重きをおいた内容をお話しします。

    チームや組織として継続的に高いパフォーマンスを維持していくためには、そうなるための変化を導入し、なおかつ状況にも合わせて常に変化し続けることが必要になりますが、そういったシーンで変化を促す立場側が重要視するべきスタンス(受け入れられやすい状況のつくり方や求めている方向への導き方)」というところに関する気づきやきっかけを提供します。

    まだ本を読まれていない方やManagement 3.0を知らない方でも理解していけるような内容にしますので、前提知識がなくてもお気軽に参加いただければと思います。


    ヨーガン・アペロ氏は21世紀に創造的な組織が成功し、存続していけるようにするための「少数のマネージャーによるマネジメント(メンバーがマネジメントは自分の仕事であると自覚し、各自でマネジメント活動をしていくことで「マネージャー」の役割にあたる人は少数で十分になるはずという考え方)」を導入することに伴う、具体的なゲームやツールやプラクティスを提供することを軸に主にヨーロッパで活動されています。

    Management 3.0はそのなかのひとつであり、ヨーガン・アペロ氏が考案したものです。過去、RSGTでもManagement 3.0をテーマに基調講演をされたことがありました。

    また、Management 3.0は上記に加えて「幸せで生産性の高い組織になるためのマネジメント」とも表現でき、ヨーガン・アペロ氏の「組織は複雑適応系であり、良いマネジメントとは、人を操作することではなく、システムに気を配ること」という信念のうえに成り立っています。

    3.0のナンバリングが示すとおり、Management 1.0や2.0の状態も定義しています。Management 1.0は人を「機械」として捉えるマネジメントで、Management 2.0は人を「機械」ではなく「人間」として捉え、人が活きるための施策をとっているが、根底にはヒエラルキーが存在するようなマネジメントを指しています。

    詳細はじんぶん堂記事「マネジメントは誰の仕事だろうか?」もご覧ください。

     

  • Ikuo Odanaka
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    Ikuo Odanaka - チームのパフォーマンスを引き出す、ワクワクするプロダクトゴール/OKR

    45 Mins
    Talk
    Intermediate

    プロダクトゴールについては、昨年のRSGTで長沢さんが素晴らしいセッションを提供してくださいました。では、私が語り得ることは何か?

    自分の経験に基づいた話。
    ゴールを設定する手前の、そこにいる人がワクワクしていくためのプロセス。
    そんな話をしたいと思っています。

    目標管理手法のひとつOKR。Scrum Fest Mikawa 2022において「OKRはツリーではない」という発表を行いました。

    その発表の中では、OKRにおいて何よりも重要なのは「目指さずにはいられないワクワクする目標を作ること」だと説明しています。

    これはスクラムのプロダクトゴールに対しても同じことが言えると、私は考えています。ワクワクする、そのゴールを達成せずにはおられないからこそ、私たちは自分たちの状況を公開し、失敗する勇気をもち、互いに尊敬しあいながらゴールに集中し達成を確約するのです。
    私が関わってきた組織、チームでもワクワクするOKRを設定できているかどうかがプロダクトゴールの実現度合いと密接に関わっていることを観測してきました。ワクワクOKRを持ったチームは「ありたい姿」と「プロダクトゴール」の一致度が高くなり、主体的にプロダクトゴールに向かうため達成度が高くなりました。それに対しシナシナOKRが手元にあったチームは「こんな目標、達成できると思ってません」とゴールへ向かうモチベーションさえ湧かず、したがって達成度は低い状態でした。
    であれば、ワクワクしたOKRを設定しない手はないですよね。

     

    言うは易し。

     

    「『ワクワクする目標を作る』?それができねぇから七転八倒してるんだろうがッ!!」そんな声がきこえてくるようです。少なくとも私の胸の奥からはそのような叫びが聞こえてきました。名著「Measure What Matters」でいうところの「組織全体に目的意識と連帯感をもたらし、多様な活動を結びつける」ような目標は、ゴールはどうやって作ればいいのでしょうか。

    OKRオタクを自認する小田中がこれまでに経験したうまくいった(ワクワクした)目標設定、うまくいかなかった(シナシナした)目標設定についてふりかえります。
    どうやったらワクワクさせられるのか、シナシナを避けられるのかについても触れていきます。そして、目指さずにはいられないOKR、ワクワクいきいきする目標を作り上げるための再現性のあるプロセスについて解説します。ワクワクの源は千差万別、だからこそ再現させるのは難しい。けれども内発的動機を駆り立て、互いのビジョンを共有しながら深く対話することで、壁に張り出したくなるようなOKRはできるんです。おっと、ここから先は本編で。

  • Kazuhide Inano
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    Kazuhide Inano - アジャイルコーチング × システムコーチング 〜Agile & ORSC are eating the world〜

    Kazuhide Inano
    Kazuhide Inano
    Agile Coach
    JEI LLC
    schedule 9 months ago
    Sold Out!
    45 Mins
    Talk
    Intermediate

    アジャイリストなみなさんこんにちは。みなさん、「コーチング」という言葉を耳にする機会が増えたと感じてませんか?これはあくまで個人の観測範囲に過ぎませんが、2022年をふり返ってみると実際にコーチングを学び、探求し、実践する人がこのアジャイル界隈でも増えてきたなと思います。そしてこれはアジャイルコーチのみのことではなく、アジャイルに関わるさまざまな役割の人にも及んでいるとも感じてます。

    さて、みなさんは "システムコーチング®(Organization & Relationship Systems Coaching®、以下ORSC®)"というコーチングをご存知でしょうか?

    私は2021年中頃からこれを学び始め、2022年はほぼこれを学ぶことに注力しました。いえ、正確に言うといざ始めてみるとこれに注力せざるを得なかったのが実情です。ORSCを学ぶことは少なくとも私にとってはそれほどタフなものでした。正直、もし学び始めの時点まで時が戻るのであれば取り組み方をもう少し考え直すかもしれません。

    とまぁしんどいってことを強調してしまいましたが、このプロポーザルを書いた時点(2022/9)ではまだ最後の学びのコースの道半ばではあるものの、決して後悔はしていないってことははっきりと言えます。大変ではあるけれど、自分にとって意味があり、価値がある学びを重ねられていると実感しています。更には既に実際に役に立った体験もしています。そしてこれはRSGT当日の2023/1ではより積み上げられているだろうと確信しています。

    というわけで、このセッションでは私自身をサンプルとし、流しのアジャイルコーチとして何を思い、考え、何に価値を感じ、そして何故ORSCを学び、アジャイルコーチングとORSCを重ねることにどのような可能性を見出し、実際にどのように役立ったのかのエピソードにも触れつつ、この先何をしていきたいのかをお話します。

    これらがみなさんの普段の中にある関係性への新たな視点や可能性を獲得でき、ORSCの世界へ足を踏み入れてみようと思った時の一歩目の道標となり、そしてアジャイルコーチングとORSCが交わって生まれるパワフルな力を感じられる、そんなセッションにしたいと考えています。

     

    ※システムコーチング®、Organization & Relationship Systems Coaching®、ORSC® は、CRR Global Japan 合同会社の登録商標です。http://www.crrglobaljapan.com

  • 45 Mins
    Talk
    Beginner

    Who owns it?

    For a software development team, ownership is the responsibility each person takes to achieve the overall project objectives and its success. Culturally, teams in Japan and the West, particularly in the US, approach ownership quite differently. For the latter, it can amount to making sure we have someone to blame when things go badly, and for the former it can be so that no one can be blamed.

    There are things to learn from both cultures, and a way we have seen successful teams deliver high-value outcomes for the stakeholders can be seen as a blend of both. Taking some ideas from the book “Extreme Ownership” we will review a way of thinking about ownership on software development project teams.

    WO8kxKI.png

    Japanese interpretation provided.

  • Yasunobu Kawaguchi
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    Yasunobu Kawaguchi - ソフトウェア開発関係ない人向けに作ってみた、アジャイルにものを作るってどういうことか?

    45 Mins
    Talk
    Beginner

    ソフトウェア開発に携わってこなかった方向けに、アジャイルに開発を進めるってどういうことか?を伝えてほしい、という依頼がありまして、以下の流れで話しました。

    1. ソフトウェア開発ってどういうものなのか (ユーザー企業観点)
    2. 要件というのはどういう風に考えるのか (狩野モデル)
    3. 新規サービス開発への狩野モデルの適用 (ユーザーストーリーマッピング)
    4. スクラムとはなにか、DevOpsはなぜ必要なのか

    ホロラボ社内や、クリエーションラインさんに呼んでもらって講演をしたのですが、なかなか好評をいただいたと思いますので、RSGTでもお話しできればと考えました。公開の場では今回が初のトーク提案になります。

     

  • Fumiaki Komatsu
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    Fumiaki Komatsu / Asato Takahashi / Yusuke Owaribe - 三歩進んで二歩下がるスクラム〜一歩ずつ変化する開発組織〜

    20 Mins
    Talk
    Intermediate

    私たちのプロダクト開発現場で「スクラム」という言葉を聞くようになってから約4年が経ちました。
    はじめはスクラムに興味をもっていた少数の有志が推進者となり開発プロセスのカイゼンに取り組み始めました。

    そんな我々は当時「1センチでもチームを良い方向に導きたい!」「価値を迅速に生み出せるようになりたい!」という熱い気持ちに突き動かされていました。
    分からないなりに工夫を凝らしたり、すがるような想いでプラクティスを取り入れてみたりなど一所懸命に目の前の課題に向き合っていました。

    そうして何かを実験したり実践してみると手応えを感じつつも、どこか思い描いていたような成果や結果が得られない感覚が拭えませんでした。
    ときには何かを失ってしまうことさえあり、まさに三歩進んで二歩下がるような日々と言えます。

    しかし、裏返すと着実に一歩ずつ進んできた4年間でもあり今だからこそ観測できる気づきが多くあります。
    さにらそれらは当時の自分達がはじめに知ることができたならば…と思えることばかりでした。

    • 真剣に取り組んでいたが今になって思い返すとおかしなこと
    • 当時は分からなかったけど今になったら「こうしたらよかった」と思えること
    • まさかこんな結果を生み出すとは思ってもいなかったこと

    など、皆さまにとって他山の石となるような内容をお届けできればと思います。

  • Masahiro Sato
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    Masahiro Sato - デイリースクラムの”守破離” - 日々をより楽しく有意義にするヒント -

    20 Mins
    Talk
    Intermediate

    デイリースクラムについて、”守破離”という観点から考察した結果を共有します。

    • なぜあえてデイリースクラムなのか?
    • 毎日行っているし、もう十分にやってきたよ?
    • ”昨日/今日/問題”を話し、その場で解決しないなら別場にするんでしょ?
    • 改善の余地って、あるのかしら?こんなものだろう?

    私は、頻度の高いイベントこそ、楽しく・有意義であるべきだと考えています。楽しさやポジティブな気持ちは、創造性を向上させます。チームとして有意義な議論も同様です。それらが、生産性や効率を高め、企業や個人・プロダクトの優位性を高めていくと思うからです。

    また、デイリースクラムおける重要なのは、”ストーリー”というキーワードであると考えています。そのキーワードは、”昨日/今日/問題”という構造を捉えるサポートとなり、一人ひとりの状況や想いを効率よく共有するツールになると考えています。これを’破”に位置付け、発表の中心としてご紹介します。

    およそ中級(Intermediate)の方を対象としますが、初級者・上級者の方にも、それぞれ「はっ!」とする示唆が提供できる発表を目指します。少しでも多くのディベロッパーにとって、日々が幸福なものとなりますように。その一助になれましたら幸いです。

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