サイボウズのスクラムマスター育成・評価事情を語る会
組織の中でスクラムマスターが活躍できる環境を作るには、スクラムマスターをどうマネジメントするか検討する必要があります。スクラムを導入した企業から非常によく聞かれるのは、「スクラムマスターの評価はどうしているのか?」という質問です。
サイボウズでは、2022年5月に大きな組織変更を実施しました。詳細はこちらの記事をご覧ください。
マネージャー、いないと無理だったので、またつくりました - Cybozu Inside Out | サイボウズエンジニアのブログ
https://blog.cybozu.io/entry/2022/11/04/173000
今回の組織変更では、職能ラインとマネージャーを整備し、新たにスクラムマスター職能が誕生しました。現在、スクラムマスター職能には約15名のメンバーが所属し、私を含むアジャイルコーチ3名がマネジメントを担当しています。
スクラムマスターを職能として確立したことで、給与レンジやキャリアラダーを定義したり、成長支援のための1on1やコーチングといった、組織としてスクラムマスターを支援するための仕組みを日々検討しています。
本セッションでは、サイボウズのアジャイルコーチ3名がスクラムマスターのキャリア支援のために検討したことや、現在の取り組み・今後やりたいことなどを座談会形式で語り合います。
Outline/Structure of the Panel
1名がモデレーターになりパネルディスカッションをします。
いくつか事前質問を用意し、会場からも質問を受け付けながら進行します。
Learning Outcome
- 組織としてスクラムマスターのキャリア支援をする事例のひとつを知れる
- エンジニア職のキャリアのひとつとしてのスクラムマスターの理解が深まる
- みなさんの組織でスクラムマスターが活躍しやすくなる、かも知れない
Target Audience
スクラムを導入している企業のマネージャー、スクラムマスター
Prerequisites for Attendees
特になし
schedule Submitted 5 months ago
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HIROYUKI HANAI / Etsuo Yamada / Makoto Takaesu / Ryo Tanaka / Saito Norihiko / Satoka Chibana - 魔法使いLyssa Adkinsの『Coaching Agile Teams』をひも解く
HIROYUKI HANAIScrum MasterN/AEtsuo YamadaAgile CoachRed Hat K.K.Makoto TakaesuCEOStudio LJ, Inc.Ryo TanakaAgile Coach / ORSCC / Software Engineer株式会社 yamanecoSaito NorihikoAgile CoachGrowth Architectures & Teams, Inc.Satoka ChibanaAgile CoachSlalomschedule 8 months ago
45 Mins
Panel
Intermediate
2日目のKeynoteスピーカーであり、世界的なアジャイルコーチでもあるLyssaの書籍『Coaching Agile Teams』は素晴らしい知恵の宝庫であるものの、その量と深さに圧倒されてしまいます。
カルチャー,マインドセットの変革 、組織構造の改革、マネジメント,リーダーシップ層の抵抗など(The State of Agile Coaching Report 2022より)とあるように、世の中のアジャイルコーチは日夜、様々な困難の中に立ち続けています。
同書にはこうした困難を克服するためのヒントがたくさん紹介されおり、その証拠に、2010年5月の刊行以来、10年以上経った今でも版元上位50位以内の売上を誇っています。
本セッションでは、同書の翻訳に携わるメンバーが書籍の中からアジャイルコーチになる、あるいはスキルを磨くのに使える、お気に入りのワークショップ、スキル等を実際の活用事例を踏まえて紹介します。
一例として、11章「アジャイルコーチの失敗、回復、成功モード」。
「アジャイルコーチも当然ながら失敗します。私がミスをしたのはチームの決断がシステム障害を起こす可能性があったときに、コーチとしてではなく、シニアメンバーとして全部を取り仕切って解決してしまいまったことです。この振る舞いは事態を解決したが、やり方としてアジャイルコーチといっていいのか疑問をかかえて過ごすことになりました。Lyssaが紹介していた失敗モードの"エキスパート"を参照した時、すっと憑物が落ちたようにアレは失敗だったんだと整理とふりかえりができ、次に進むことができました」 といった形で、それぞれの体験と本書から学べる気づきなどを紹介するセッションになります。
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Yushiro Matsutani - CTOがスクラム未経験の組織にLeSSを導入し、プロダクト組織のスケールに自信を持つまでの話
45 Mins
Talk
Beginner
株式会社スタメンのプロダクト組織は、2022年より大規模スクラム(LeSS)を導入しました。スクラム未経験の組織の中で、LeSSを導入するに至った背景、導入に向けた活動、導入後の躓き、そして組織全体の変化についてCTOの視点でお話します。
2021年下期に、CTOとして当時のプロダクト組織へ以下のような課題を感じていました。
- なんとなく一体感がない
- マネージャーへの依存が強く、現場でのリーダーシップの発揮を感じない
- 意識がプロダクトロードマップありきなので、優先順位変更のコストが高く、ビジネス上の変化に弱い
- 個人にちゃんと仕事がアサインされているかを気にしすぎて、価値提供スピードを意識できていない
当時は、プロダクト組織のパフォーマンスに懸念を感じており、また今後開発者が増えたとしても全体のパフォーマンスが上がらないのではとプロダクト組織のスケールに自信がありませんでした。
2021年の年末にかけて、この課題感をチームへ伝え、少しずつ共通認識を作りながら、2022年1月に以下の組織体制の変更とともにスクラムを導入しました。
- コンポーネントチームの解散
- エンジニアリングマネージャーの廃止
まず3チーム同時にスクラムを導入し、2022年3月より3チームすべて統合し、本格的にLeSSに取り組みはじめました。
スクラム未経験にも関わらず、短い期間で一気にLeSSを導入しようとしたために多くの問題が生じました。まずは体制変更による混乱から始まりました。そして、LeSSのはずなのにチーム同士の助け合いが生まれなかったり、プロダクトの全体のゴールが曖昧になってしまったり、他のCXOやマネージャーの巻き込みにも苦労したりと、上手くいくことばかりではありませんでした。
それでも着実に一歩づつ前進して、1年間を通してプロダクト組織全体のプロセスやカルチャーの変化を感じてきました。
そして今では、他のCXOを含め組織全体としてスクラムへの理解も深まり、LeSSの効果を強く実感しています。私CTOとしてもプロダクト組織のスケールに大きな自信を持てるようになりました。このスケールへの自信がさらなる組織拡大の意思決定を後押しし、東京都内に新開発拠点を立ち上げるに至りました。
本セッションでは、スクラム未経験の組織がLeSSを導入する際に生じる問題点や、ゼロイチでスクラムを導入していく際のCTOならではの視点で赤裸々にお話します。そしてプロダクト組織のスケールのヒントになれば幸いです。