建設的相互作用の論文 (通称「ボビンの論文」) とスクラムの源流 “The new new product development game” を読んでペア作業からスクラムについて考えてみりん

『教育心理学概論』という書籍があるのはご存じかなと思います。この書籍を書いた三宅なほみ先生は1986年に発表した博士論文"Constructive interaction and the Iterative Process of Understanding" (通称「ボビンの論文」) で、ペア作業の観察を通じて、理解というものはなにか?複雑な問題をペア作業によってどのように進めていくのか?に迫りました。「建設的相互作用」を提案した論文として多くの影響を与えているそうです。

スクラムの源流が80年代の製造業のプロダクト開発を観察した1986年の論文 "The New New Product Development Game" にあることはもちろんご存じですよね。この論文については、スクフェス大阪で読みました。https://confengine.com/conferences/scrum-fest-osaka-2021/proposal/15403/the-new-new-product-development-game

2つの日本人による論文が同年に出ていることは全くの偶然ですが、異なるアプローチで人間の協調作業に迫っていることが興味深いです。

本セッションでは、「ボビンの論文」と「The new new product development」を機械翻訳をかけながら読んだ経験を振り返り、理解とは何か、組織にとって必要な小グループ活動、ペア作業の効果に関して議論していきたいと思います。また、普段モブプロをやられている方や、ファシリテーションに取り組まれている方にとって、人間の意識がどうなっているかがわからないのは悩みのタネであろうと思います。そうした方にも気づきがあるのではないかと思います。

 

 
 

Outline/Structure of the Talk

パネルディスカッションを行いたいと思います。

ミシンのボビンの仕組みはこちら
https://www.youtube.com/watch?v=Mc10-O3KoNM

When people try to understand complex physical devices (e.g., a sewing machine), they proceed in an iterative fashion. They seem to reach several points at which they claim to “understand” the device. Each point of understanding is incomplete and requires a new level of understanding. As a result, they cycle between understanding and non-understanding as they traverse different levels. The present study provides a framework to capture the iterative nature of understanding. These points are discussed and illustrated through observations of three pairs of people constructively interacting to understand how a sewing machine works. In addition to the iterative search for understanding, the conceptual point in space from which the speaker appeared to be viewing the machine was important. This conceptual point of view (C-POV) was reflected in their use of language. The C-POV appeared to be stable during points of understanding and to shift frequently at points of non-understanding.

人が複雑な物理装置(例えばミシン)を理解しようとするとき、人は反復的に作業を進めます。その装置を「理解した」と主張するポイントにいくつか到達するようです。しかし、それぞれの理解は不完全で、新たな理解が必要となる。結果として、彼らは異なるレベルを横断しながら、理解することと理解しないことの間を循環することになります。本研究では、理解の反復性を捉えるためのフレームワークを提供します。本研究では、ミシンの仕組みを理解するために建設的な相互作用をしている3組の人々を観察することで、これらの点を議論し、説明しています。理解のための反復的な探索に加えて、話し手がどのような空間からミシンを見ているように見えるかという概念的な視点も重要であった。この概念的な視点(C-POV)は、彼らの言語使用に反映されていました。このC-POVは、理解しているときは安定していて、理解していないときは頻繁に変化しているように見えました。

  • INTRODUCTION はじめに
  • THE NATURE OF UNDERSTANDING 理解とは何か
    • The Function-Mechanism Hierarchy 機能・機構の階層化
    • Understanding and Non-understanding 理解と非理解
    • Conceptual Point of View (C-POV) 概念的な視点(C-POV)
  • METHOD 手法
    • Constructive Interaction 建設的な相互作用
    • Observational Setting 観察の設定
  • CODING 符号化
    • Coding of Levels of Understanding 理解度の符号化
    • Coding of C-POV C-POVの符号化
  • RESULTS 結果
    • The Iterative Process of Understanding 理解のための反復的プロセス
    • Shifts of C-POV C-POVの変遷
    • Detection of Speech Errors 発話エラーの検出
  • DISCUSSION ディスカッション
    • The Issue of Focus フォーカスの問題
    • Criticisms-Constructive Aspects of Interaction 批判-インタラクションの構造的側面
    • Motions-The Role of the Observer モーション-オブザーバーの役割
  • APPENDIX 付録

 

Learning Outcome

理解とは何か、ペア作業の効果に関する新しい視点を得ることを目標にしたいと思います。また、普段モブプロをやられている方や、ファシリテーションに取り組まれている方にとって、人間の脳内がどうなっているかがわからないのは悩みのタネであろうと思います。そうした方にも気づきがあるのではないかと思います。

Target Audience

ScrumMaster, Product Owner, Developers

Prerequisites for Attendees

パソコンはご用意ください (Zoomに入っているのだから大丈夫な気はしますが、論文が読める程度のディスプレイサイズはあった方がいいと思います。)

schedule Submitted 1 week ago

  • Masahiko Watanabe
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    Masahiko Watanabe / Shuichi Matsubara / Akihisa Furuhashi / Kenta Sasa / Saito Norihiko / Shigeo Konno - いろんなアイデアが聞けて、とにかく前向きになる相談会

    45 Mins
    Talk
    Beginner

    あなたの現場では、こんなことがおきていませんか?

    「ペアプロを導入したいけど、上司が…」
    「Daily Scrumで何も話題が出てこない…」
    「本やブログで書いてあったやり方をやってみたけど…」

    同じような問題でも、現場によって有効な解決策やアプローチは違ってきます。
    簡単にいうと銀の弾丸はありません。

    そこで!

    実際に皆さんの現場で起きている問題や悩みを出してもらい、とにかく前向きな6名が通用するかどうか分からない鉛玉を大量に提供したいと思います!

    色んな現場で実際に試して
    失敗したアイデア、成功したアイデア、
    社内のチェンジエージェントの観点、社外のアジャイルコーチの観点、
    あの現場での話、この現場での話…
    数ある鉛玉から自分の現場に合いそうな輝く弾丸を持ち帰ってください。

    セッション中は

    みなさんも無責任に「自分だったらこうするかなぁ」「こんなことしたら上手くいったよ!」という鉛玉をじゃんじゃん放流してくださいね!

    みんなでわいわいしましょー。

  • Yuichi Tsunematsu
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    Yuichi Tsunematsu - スクラムマスターの育て方

    Yuichi Tsunematsu
    Yuichi Tsunematsu
    Manager
    Retty Inc.
    schedule 3 weeks ago
    Sold Out!
    20 Mins
    Talk
    Beginner

    Rettyでは大規模スクラム(LeSS: Large Scale Scrum)を導入しており、複数のスクラムチームが自律的にプロダクト開発に取り組んでいます。スクラムに悩む他社様と情報交換させていただくことがありますが、その中で一番よくいただく質問は「どうやってスクラムマスターを育てているのですか?」というものです。

    Rettyは基本に忠実にスクラムに取り組んでおり、スクラムマスターもプロジェクトリーダーや管理職ではなく、チームのサーバントリーダーとして、スクラムのプラクティスを遵守する役割をお願いしています。チーム構成の変更に合わせて複数のメンバーにスクラムマスターを担ってもらいましたが、各々が悩みながら、チームをよくしようとして、きちんとその役割を果たしてくれています。

    本講演ではスクラムマスターをどう選ぶか、どう引き受けてもらうか、どう成長してもらうかを、Rettyでの経験をもとに紹介させていただきます。

  • eroccowaruico  
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    eroccowaruico   - 一期一会(弱虫がつなぐ点と線)

    45 Mins
    Talk
    Beginner

    一貫した何かもないし、計画もない。
    将来を見据える事もできない中で、前に進むにはどうしたらいいのでしょうか?
    真っ暗な闇の中で、カオスの中でどう進めばいいのでしょうか?

    それらに大切なのは適応可能な状態を維持すること。
    でも、適応ってどうしたら生まれるのでしょうか?
    適応したら輝かしい未来が待っているのでしょうか?
    そもそも輝かしい未来ってなんでしょうか?

    本セッションは弱虫のeroccowaruicoにとっての「一期一会」を通して、「点と点をつなげる」ことについてお話ししたいと思います。
    スクラムやアジャイルの事以外の内容が多くなりますが、多くの概念はスクラムやアジャイルな開発やそれ以外の場面で役に立つ適応について共に考える機会になればと考えています。

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