新しく参加したチームで最初は難色を示されたScrumを導入できるように工夫した話
新しい開発チームに配属されたエンジニアの私は、前の現場で利用していたScrumを同じように実施したかったのですが、そのチームではScrumをやっていませんでした。
軽く打診してみたのですが、あまり反応はよくなく、新参者の自分があまり強く提案しても角が立つのではと考えて、導入に関して少し距離を置いていました。
しかし、どうしても新しいチームでScrumを実施することを諦めきれなかったため、まずは、以前のチームで実施していた内容をチームに紹介することから始めてみました。
すると、なんと一部のメンバーが内容に興味を持ってくれて、それをきっかけに今のチームの開発プロセスについて見直す場を作ることができました。
このセッションでは、こうして始まったチームへのScrum導入を1つの事例としてご紹介したいと考えています。
実施した内容としては、
初めに開発プロセスについての見直しで「一度にかかるPRのコストが大きい」「ビジネス側との距離が遠く感じる」「ベロシティが正確に測れていないため、日々の取り組みで改善できているか不安」などの課題を洗い出しました。
その中でも、取り掛かりやすそうな「一度にかかるPRのコストが大きい」をピックアップして解決に向けて取り組むことに。
その解決策としてペア作業を行い、メンバが抱えている「けっこう休憩時間が少なくて疲れる」「(ペア開始してすぐの時)作業ペースに不安があるので1日の作業目標が欲しい」などの不安を解消するためにペア作業のふりかえりの場を設ける、など発生した課題に基づいて少しずつ改善を重ねてきました。
チーム内からの発信だからこそ自分たちの課題解決として取り組むことができ、最初は難色を示されたScrum導入のメリットを少しずつ伝えることができました。
今ではビジネスチームと共にスプリントレビューを行うようになりました。定期的なコミュニケーションの場が設けられたことでビジネスチームとのスムーズな連携が可能になり、開発チームの改善だけでなく、ビジネスチームとの連携改善にも役立っています。
同じ悩みを抱えている人の参考になれば嬉しいです。
Outline/Structure of the Talk
- 難色をしめされるScrum導入
- まずは前チームの事例を共有してみる
- 興味をもってくれる人が現れたので、一緒にチームの現状課題を洗い出す
- 洗い出した課題の解決としてPairやMobを導入
- PairやMobのなかでのもやもやが出てくる
- もやもやを解消するために、ふりかえりを場を設定
- 開発はスムーズになってきたが、今度は開発内容に対するもやもやが出てきた
- 開発内容について話し合う場としてSprint Reviewの場を設定
- 良い感じでBizとDevがコミュニケーション取れるようになってきた
- チーム解散の危機を迎えたが、この活動が良い感じなので、チームを維持する方向になってきている
Learning Outcome
小さくても出来ることから始めてみることの大切さ
現場で抱えている課題に取り組むことの大切さ
興味を持ってくれる人を巻き込むことの大切さ
Target Audience
チームにScrumを導入したいと検討している方
Prerequisites for Attendees
特にありません