俺たちのDiRT - 継続的な訓練と振り返りで障害対応力をUPしよう

location_city Osaka schedule Jun 26th 01:00 - 01:45 PM place 札幌 people 5 Interested

私達は、楽天グループ内の様々なサービスから利用されるプラットフォーム系サービスを幾つか担当しており高いSLAが期待されています。

そのため万が一システム障害が発生した場合、迅速な原因追求と復旧作業が必要となります。

その反面、トラブルシューティングスキルは属人化しやすく体系立てて引き継ぐのが難しいという課題を感じていました。

そこで、私達はDiRT(Disaster Recovery Training)と呼ばれるプラクティスを参考にし、定期的にStaging環境で擬似的な障害を発生させObservabilityの改善や、レポーティングまで含めたプロセスの見直し、モニタリングツールやシステムそのものの改善を行うため(障害訓練→振り返り→対策実施)を繰り返しています。

今回は我々の活動についてご紹介させていただきます。

 
 

Outline/Structure of the Talk

以下のような内容をお話させて頂きたいと思っています。

  1. なぜ障害対応訓練をやるのか
  2. 障害対応訓練でチームがどう変わり始めたか
  3. 実際にどうやっているのか?
    1. Staging環境? Production環境?
    2. 何のツールを使い、どれくらいの時間やるのか?
    3. 実施する際の注意事項
    4. 振り返りの例、振り返りで出たことなど
  4. 今後の野望

Learning Outcome

  1. 障害対応訓練の実例を知ることができる
  2. 実際にやってみて分かった難しい点や注意点などを知ることができる

Target Audience

障害対応訓練、Chaos Engineering、DiRTに興味がある方 。障害対応が必要な方

Slides


schedule Submitted 2 months ago

  • Kei Nakahara
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    Kei Nakahara - 老舗メーカーにみんなでアジャイルを導入してみました ~「俺がやる!」から「みんなでやる!」に至るまで~

    Kei Nakahara
    Kei Nakahara
    Manager
    コニカミノルタ(株)
    schedule 3 months ago
    Sold Out!
    45 Mins
    Talk
    Beginner

    既存の組織体系やマインドが色濃く残る老舗メーカーで、健全なソフトウェア開発を実現できるよう全社的にアジャイルや要求開発の導入を推進してきました。

    2016年に、ほぼ私一人で始めた活動ですが、今では20名を超えるコーチングチームを組織するに至りました。
    一部の活動は私の手を離れ、完全に社内コミュニティを主体に運営されています。
    さらに、毎年開催している社内のアジャイルカンファレンスは、17年時点は約450名ほどの参加者だったのが20年には倍の約900名にまで増えました。
    さらにさらに、私が支援した社内のサービス開発チームが、SFOにプロポーザルを出すに迄いたりました。

    ここに至るまで経緯や具体的な施策、現在直面している困難と課題についてお話しさせて頂きます。

    現在の途中経過ではありますが、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

  • Yukio Okajima
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    Yukio Okajima - 成功と失敗に学ぶアジャイル受託開発の極意

    45 Mins
    Talk
    Intermediate

    特にこの数年、日本の受託開発でもアジャイル手法が普及してきている実感はあります。しかし一方、アジャイル受託開発を、日々の当たり前として定着させる難しさも見えてきました。「顧客との関係」「メンバーの育成」「事業の成長」、これらはそれぞれ長い目で取り組む必要があり、かつ相互にトレードオフを含む適応的な課題でもあります。

    例えば、次のようなシチュエーションにどのように対応すると良いでしょうか。

    • 本来なら受けがたい一括請負によるアジャイル開発を将来有望な顧客から求められたら?
    • プロジェクトがピンチ!火消しをすべきなの?チームにまかせるべき?
    • ウォーターフォールとのハイブリッドの是非について顧客とメンバーの意見が合わないのをどうすれば?

    このセッションでは、受託アジャイル開発を生業とする私たちが、成功や失敗の体験を分析することでたどり着いた「アジャイル開発の組織定着に向けた一つの型」を提示させていただきます。私の立場上、どうしても受注側の視点がメインとなってしまいますが、発注側の方にとっても、ヒントになることは多いかと思います。

  • Yuichi Tokutomi
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    Yuichi Tokutomi - ゲームのように学ぶアジャイル開発

    Yuichi Tokutomi
    Yuichi Tokutomi
    CEO
    Degino Inc.
    schedule 5 months ago
    Sold Out!
    20 Mins
    Talk
    Beginner

    アジャイル開発に興味のあるみなさん、どうやって学んでいますか?

    XP の白本から始まったアジャイル開発。その後、たくさんの本が出版されてます。本に書いてあることは良さそうなのですが、実際にやろうとすると分からないことだらけだったりしませんか? スクラム開発をやってるとつもりだった自分のプロジェクトが "ミルクボーイがアジャイルを説明したら" のネタになっててハッとしたりしませんでしたか?

    そんなアジャイル開発の入り口にいる人たちに向けて、私がどうやって学んできたのか? 学び続けているのか? XP 白本の発売から 20 年の道のりをお話したいと思います。入り口から一歩進むきっかけにしていただければ幸いです。

  • aki matsuno
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    aki matsuno - コミュニティ活動で得られた知識と希望~オンライン勉強会に半年で200回参加して感じたこと~

    aki matsuno
    aki matsuno
    engineer
    -
    schedule 2 months ago
    Sold Out!
    20 Mins
    Talk
    Beginner

    完全未経験&文系でソフトウェア開発の道に飛び込んで3年半、仕事で少しずつ成果が出せるようになったものの、度重なる挫折と大きな無力感を抱いていた自分は、藁にも縋る想いでオンライン勉強会への参加を始めました。

    そこで出会ったのは、アジャイル開発をはじめとしたソフトウェア開発を豊かにする多種多様な知見と、常に変化を楽しんでお互いに刺激を与え続けているコミュニティの方々でした。

    素敵な出会いに囲まれた自分は、焦燥感から参加していた勉強会が楽しくなるばかりか、これまで嫌いだった"学ぶ"という行為が楽しく感じられるようになりました。
    気が付くと、物事を継続することが苦手だった自分は毎週勉強会に参加して毎日読書するようになり、200回の勉強会参加&100冊弱の読書をしていました。

    そして、コミュニティの方々と一緒に学びを深めるにつれ、知識が身につくのみならず"自分自身と向き合うこと"の重要性を意識するようになりました。

    今回は、自分がアジャイル開発や様々な学問から学んだ知識やもらった希望、そして自分に多数の知識と驚くほど大きなエネルギーをくれたコミュニティの方々の話をしてみようと思います。

  • Takaaki Ouchi
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    Takaaki Ouchi / Tsutomu Yasui - スクラムボードゲームで楽しく学びを得ませんか?

    45 Mins
    Workshop
    Beginner

    スクラムを題材にしたオンラインボードゲームでスクラムあるあるを学ぶワークショップです。
    オンラインボードゲームプラットフォーム「asobann」で作成したオリジナルボードゲームをやります。

    プレイヤーはプロダクトオーナーとなって開発チームと一緒に様々なスクラムあるあるに遭遇し、成長していきます。価値のあるプロダクトをリリースし、お金を一番稼いだプレイヤーが勝利を得ます。

    楽しくスクラムを学びましょう。ダイスロール!!

    ※プレイ人数は2〜4人です。他の方は見学となりますが、体験を希望される方には体験できる場をご用意する予定です。
     ボードゲームのストーリーは架空のものです。登壇者の発言は個人の見解であり、所属する組織とは関係ありません。

  • Ryuku Hisasue
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    Ryuku Hisasue - 良いチームを形成する方法 〜リーダーのいない組織を大学生が挑戦〜

    45 Mins
    Talk
    Beginner

    このセッションでは,大学のPBL(Project Based Learning)でリーダーのいない組織を形成し,その活動の中でどのようにチームが成長してきたかをお伝えします.

    いま,日本の大学ではPBLという学習方法が広く実施されています.PBLとは,実際にプロジェクトチームを形成してプロダクトを作る経験を得ることによって,チーム開発やチームマネジメントの手法について学ぶことができる学習手法です.私が所属する大学でもPBLのカリキュラムがあり,スクラムを用いてプロダクトを作るという経験を得ました.しかし,私たちのチームはほかのチームとことなりリーダーを決めずに活動してきました.そして,その結果として,とても良いチームを形成できたと感じています.

    リーダーもいなく,開発初心者が集まるプロジェクトで,どのようなことに苦労したか紹介・分析し,そのうえでチームをより良くするためにはどうすればいいかお話ししていきます.

  • Takao Oyobe
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    Takao Oyobe / kyon _mm / Mori Yuya / Toshiharu Akimoto - Deep Dive Experts - 達人が見ている世界を覗いてみよう -

    90 Mins
    Talk
    Beginner

    達人たちが見ている世界を覗いてみませんか

    「あの人はこの問題に対してなんて答えるんだろう?」
    「あの人はこの答えに辿り着くまでにどういう思考プロセスを経たのだろう?」
    「あの人の頭の中身が見てみたい!!」
    と思ったことはありませんか?

    同じようなプラクティスや手法を用いていても、人/チームによってまったく違う結果になります。
    つまり現場での成功には、形式的な方法だけでなく、それを扱う人の呼吸、思考、メンタルモデルが大きく影響しているということに他なりません。

    このセッションでは達人たちが見ている世界を覗いてみる実験をします。
    ある分野で研鑽を重ねる達人同士が、お互いにインタビューをすることでお互いの思考を探ります。
    ただのインタビューでは見ることができないDeepな世界にDiveしてみましょう。

  • Akiko Iwakiri
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    Akiko Iwakiri / Junki Kosaka / Yuko Kondo / Noriyuki Nemoto / Ryutaro YOSHIBA (Ryuzee) / Koji Shimada / Tatsuya Sato / Yasuo Hosotani / YUKI TORII - あなたの一歩を後押しした本やあなたの手掛けた本について話してほしい!「旅するAgile本箱」LT #2021

    90 Mins
    Talk
    Beginner

    昨年のスクラムフェス大阪で好評だった「旅するAgile本箱LT」再び!

    旅するAgile本箱は、これからアジャイル開発に取り組もうとしている人たちや既に実践している人たちのために、関連書籍を段ボール2箱、会社やイベントへ貸出す活動です。 これまでに24ヶ所へ旅してきました。 本のセレクトは、アジャイル開発実践者の投票により成り立っており、含まれている本の中には、一般に「アジャイル」「スクラム」や「ソフトウェア開発」に分類されない本も混じっています。 それら含めて、この本箱にある本たちは実践者を何らかの形で助け本たちです。

    今回の旅するAgile本箱LTも、実践者の皆さんを後押しした一冊、ないしは、心震えた一冊、ご自身で手がけられた一冊、かけた思いの丈を、語っていただきます!

    ★旅するAgile本箱LT2021:発表順(予定)

    1. 前説:旅するAgile本箱って?
    2. 細谷 泰夫さん『Ultimate Agile Stories - 10th Anniversary』
    3. 根本 紀之さん 『ソフトウェアテスト技法練習帳』
    4. 鳥井 雪さん  「ダイバシティな絵本」のご紹介(順不同)
      『王さまと王さま』 『いろいろいろんなかぞくのほん』 『ふたりのママの家で』 『ジュリアンはマーメイド』 『タンタンタンゴはパパふたり』『ねえさんの青いヒジャブ』『300年まえから伝わる とびきりおいしいデザート』
    5. 吉羽 龍太郎さん「エンジニア的翻訳術」
    6. 近藤 佑子さん 「大学生に『書くこと』の授業をしたときに引き合いに出した本」
    7. 佐藤 竜也さん『達人プログラマー 第2版』
    8. 島田 浩二さん『ユニコーン企業のひみつ』
    9. 結び

    ●ハッカーライフラボスタッフ
    ・司会:コサカ ジュンキ
    ・配信:アジャイル札幌のみなさん

  • Yutaka Nakano
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    Yutaka Nakano - アジャイルなアナリストの道具箱:『概念マップ』で要件のバグを見つけよう!

    Yutaka Nakano
    Yutaka Nakano
    Software engineer
    Freelancer
    schedule 2 months ago
    Sold Out!
    20 Mins
    Talk
    Beginner

    ソフトウェア開発でありがちな以下のような問題に対処するために使える『概念マップ』についてお話します。

    • ビジネスドメインの理解がむずかしい
    • 要件定義書の品質の低い
    • 現行システムの要件がわからない

    スピーカーである私は、札幌にUターンした2014年以降、業務用ソフトウェア開発の要件定義を中心に仕事をしてきました。なので、要件定義について書かれている書籍は片っ端から読みあさりましたが、説明されている方法はどれも重くてアジャイル向きではなく悩んでいました。そんな中、軽量で気に入ったツールの1つが『概念マップ』です。

    このツール1つですべてカバーできるわけではありませんが、ビジネス分析/要件定義初心者の方にはお役に立つと思います。

  • Shusuke Fujii
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    Shusuke Fujii - コロナ禍における宿泊業の苦闘~ピンチをチャンスに変えた開発戦略

    Shusuke Fujii
    Shusuke Fujii
    Hotel
    Hoshino Resorts
    schedule 2 months ago
    Sold Out!
    45 Mins
    Talk
    Beginner

    星野リゾートでは、企業の発展とともに、開発の内製化の促進を進めており、海外展開など次の局面を迎えていた。
    しかし、2020年に入ると、全世界に混乱をもたらされたコロナの影響を受け、宿泊業には大きな打撃をもたらした。
    もちろん、星野リゾートも例外ではなく、今後にむけた開発は全て白紙になるだけでなく、事業の継続も危ぶまれる状況に陥った。

    そのような状況から、以下にして組織が同じ方向を目指し、短期間でリリースする体制を作り上げることで、危機的状況を脱し、飛躍できたのかをお話します。

  • Yuki Misumi
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    Yuki Misumi - チーム バーサーカーズ 〜狂戦士になれと言われた僕らの、がむしゃら1日スプリント

    Yuki Misumi
    Yuki Misumi
    Software Engineer
    Freelance
    schedule 3 months ago
    Sold Out!
    20 Mins
    Talk
    Beginner

    人生初の開発現場は、6人のバックエンドチームがFAPI-CIBAという世界最先端の認証認可サーバー実装をしながら、モバイルアプリや銀行業務システムの開発まで担当する戦場でした———

    毎日変わる要求と仕様。政治の絡む技術選定。立ち塞がる大量のRFC文書。

    僕たちは、高速でアップデートするチームになる必要がありました。スプリント期間は、2週間から1日になり、モブプログラミングには、知識の新陳代謝が組み込まれました。肥大していく技術分野に追いつくために、勉強タスクを設けて学びを共有しました。

    具体的な使いどころに関して、1日スプリントはプロダクトの方向性が定まっていない時に大変効果的でした。プロダクトオーナー側から細かいフィードバックが生まれ、プロダクト像がかたどられていくためです。モブプロは、新しい技術分野の実装時に、開発メンバー間の理解のキャッチボールを促した点で有用でした。

    このセッションでは、そんな狂戦士の如く戦場を舞った、ぼくらの取り組みと考察を1日スプリント/モブプロ導入事例として共有します。

    プロジェクトが始まったが、漠然とした課題解決方針のみで具体的な仕様はだれも言えない。。
    誰も対象の技術分野の経験がない。。
    これらの状況にある方にとって、日々の働き方のヒントになるような内容にしたいと思います。

  • Mori Yuya
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    Mori Yuya - プロダクトオーナーマニアックス! POとSMの原点の原点をさかのぼって学ぶ初代主査 中村健也の働き方

    45 Mins
    Talk
    Advanced

    ■チーフエンジニアというプロダクトオーナーとスクラムマスターの原点

    スクラムではプロダクトオーナーという役割が用意されています。この役割はどのように作られたのでしょう。ジェフ・サザーランドが書いた『スクラム 仕事が4倍速くなる“世界標準”のチーム戦術』では次のように解説しています。

     プロダクトオーナーという役割は、トヨタのチーフエンジニアから発想を得たものだ。

     

    続いて、スクラムマスターの着想もチーフエンジニアからだったことが解説されます。

     チーフエンジニアはただこうしろと指示を出せばいいのではない。メンバーを納得させ、うまくその気にさせて、自分が提案するやり方が正しくベストなやり方だということを示さなければならない。普通ならその道で三十年くらいの経験がなければ務まらない役割だ。そこでこの役割を二つに分け、仕事の進め方をスクラムマスターが、仕事の内容をプロダクトオーナーが管理する分担制にした。

    もちろんチーフエンジニア以外からも参考にされたものはたくさんあるでしょうが、POとSMというアイデアに大きな影響を与えたようです。

     

    ■機能しないチーフエンジニア

    しかし、チーフエンジニア制度と半世紀近く携わり、自らもセリカ、カリーナ、スープラのチーフエンジニアであった和田明広は次のように述べています。『和田明広オーラル・ヒストリー』 から引用してみましょう。

    トヨタのチーフエンジニア制度について様々な企業から相談が持ち込まれますが、うまく機能しないことを述べています。※文中の主査は、チーフエンジニアの前の名称。

     和田 チーフエンジニアという制度はあるのですが、トヨタみたいな機能はしないのです。マーケットを見ていますけれども、新しい車をクリエイトするというようなことがなかなかできないのです。
     尾高 日本の中ではどうですか。
     和田 同じです。


    また現在のトヨタにおいてもチーフエンジニア制度は、機能しているか疑わしいと述べています。

     和田 よそのチーフエンジニアですか。でも、いまはトヨタのチーフエンジニアもそうですからね。いまはそんなに能力のある人間はいません。そんな2年や3年ちょこちょこっとやったぐらいで十分な能力ができるわけないですよ。我々だってどのくらい失敗したかわからないわけです。10年から実質的には何十年やっていますけれども、どれくらい失敗したかわかりません。

     

    ■トヨタのチーフエンジニア制度が生まれる過程

    ジェフ・サザーランドがスクラムを構築する過程にチーフエンジニア制度があったように、トヨタのチーフエンジニア制度においても過程がありました。その中で和田明広は中村健也という人物に焦点を当てています。

     松島 トヨタの場合は、なぜ他社とは異なる主査制度が生まれてきたたのでしょうか。
     和田 それは前回申し上げたかもしれませんが、中村健也さんが素晴らしい実績を残されて、会社内全体が、主査のいうことは社長の言うことだ、そういうムードになったのだと思います。

     

     尾高 外国から主査の役割についていろいろ聞いてきたとおっしゃいましたね。その結果、外国で何か起きたのでしょうか。
     和田 起きないと思います。どうしてトヨタでは主査というのがうまく機能するのか、ということですから。それはどうしてかと私に聞かれれば、それは中村健也さんから始まって全社的な組織とは違ったパーセプションを得られて、それでうまく動いているのだと説明するしかないのですけれども(略)

    ※和田明広 日本初の乗用車である初代クラウンや、初代カローラのボディ設計を担当し、トヨタで大主査と呼ばれるようになった中村健也や長谷川龍雄と共に開発をした。その後、自身もセリカ、カリーナ、カリーナED、スープラの主査(チーフエンジニアの前の名称)、またプリウスのプロジェクト責任者を担当。トヨタ副社長、アイシン精機会長、日本機械学会会長を歴任。

     

    トヨタ自動車株式会社名誉会長である豊田章一郎は『未来を信じ一歩ずつ : 私の履歴書』の中で、節をまるまる用いて中村健也を取りあげています。

     その後、1962年(昭和37年)はにモデルチェンジした2代目クラウンには、より剛性の高い「Xフレーム」を採用した。
      このときも、私は、技術部で中村さんと一緒に仕事をした。フレームをできるだけ薄くし、車高を低くすることを目指したが、X型フレームに対しては社内の反対も多く、まさに冒険そのものたった。
      テストコースの悪路耐久試験ではフレームに亀裂が生じたが、中村さんは決して諦めなかった。私は、「これが失敗したら2人で一緒に会社を辞めましょう」と言って中村さんを励ました。いつも不退転の決意で臨む中村さんも同じ思いだった。

     

     中村さんの主査としてのやり方が骨格となり、今日のトヨタのCE制度がだんだんと築き上げられ、それがトヨタの特徴となり財産にもなった。
      初代クラウンとともに主査中村健也は、いつまでも私の心に残る技術者だ。いかに情熱を持って仕事に取り組むか。そのような精神の持ち方を訓練すれば、私のような若い技術者でも大いに活躍できると思った。

    ※CE制度とはチーフエンジニア制度のこと

    いったい中村健也とは何者なのでしょうか。どのような仕事や仕事の仕方をしてきたのでしょうか。

     

     

    ■このセッションでは何をするか、何が得られるか

    スクラムのPOとSMはジェフ・サザーランドによればトヨタのチーフエンジニア制度から着想を得ましたが、和田明広によればチーフエンジニア制度は他社では積極的に導入を試みるもうまく機能しておらず、まして現在のトヨタでも機能しているか疑わしいと厳しい評価をしています。

    このセッションでは、私たちがプロダクトオーナーという役割をより効果的に果たしていくために「そもそもチーフエンジニア(主査)とはなんだったのか」を「中村健也」という人物を中心に、POとSMの原点(チーフエンジニア制度)の原点(中村健也)を70年ほどさかのぼり、プロダクトオーナーが効果的に力を発揮するための知恵を探ります。

     

     

    参考文献

    『スクラム 仕事が4倍速くなる“世界標準”のチーム戦術』ジェフ・サザーランド, 早川書房, 2015
    『和田明広オーラル・ヒストリー』 松島茂, 尾高煌之助編 東京理科大学専門職大学院MOT研究センター, 2008.12(非売)
    『未来を信じ一歩ずつ : 私の履歴書』豊田章一郎, 日経BP, 2015
    『トヨタ自動車開発主査制度』塩沢茂, 講談社, 1987(絶版)
    『主査 中村健也』和田明広編, トヨタ自動車株式会社, 1999(非売)
    『トヨタの製品開発』安達瑛二, 白桃書房, 2014
    『初代クラウン開発物語』桂木洋二, グランプリ出版, 2015(底本1991)
    『トヨタ チーフエンジニアの仕事』 北川尚人, 講談社, 2020
    『プロジェクトX 挑戦者たち われら茨の道を行く ~国産乗用車 攻防戦~』NHK

  • Hiromi Morikawa
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    Hiromi Morikawa - 創業145年の日系大企業でのアジャイルへの挑戦

    Hiromi Morikawa
    Hiromi Morikawa
    UX Designer
    Dai Nippon Printing
    schedule 2 months ago
    Sold Out!
    20 Mins
    Talk
    Beginner

    145年の歴史を持つ大日本印刷株式会社。
    時代の変化に適応し、印刷という名前からは想像できないほど、ものからシステム、SI案件から自社事業まで幅広いものづくりを行っています。

    そんななかで新規事業のシステム開発を担う、たった5人のスクラムチームからはじまり、
    現在では会社全体になかまができ、外部コーチの力を借りながらアジャイル推進を行うまでになりました。
    新規事業の開発チームしかいなかった状況から、プラットフォーム開発や受託開発での検討の話題にもなっています。
    当初は1チームしかなかった開発チーム。チームと人材は徐々に増え、会社としての取り組みが加速しています。

    開発チーム内での実践から「アジャイル推進」へ役割を変え、
    どのようになかまを作りムーブメントを広げていったのか、大企業内で推進に向き合ってきたなかでの工夫や苦労をお伝えできればと思います。

    大きな組織のなかで試行錯誤している事例のひとつが、みなさんの参考になれば幸いです。

  • 90 Mins
    Track Keynote
    Advanced

    「ユニコーン企業のひみつ」。この本はとても読みやすいんだけど、でもそれって…自分と違う星の話を眺めてる気分だからじゃないのかな(仮説)。

    私たちのチームと本で紹介されているチームの様子は、まるで地続きみたいによく似ていてます。本講演では「ユニコーン企業のひみつ」を使って私たちのチームについて説明を試みます。この本を自分のことのように受け止めた人たちの助けになれば良いな、と思います。

  • Hiroshi KURABAYASHI
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    Hiroshi KURABAYASHI - ベトナムでやり直すソフトウェア開発

    Hiroshi KURABAYASHI
    Hiroshi KURABAYASHI
    None
    Indigames
    schedule 2 months ago
    Sold Out!
    90 Mins
    Track Keynote
    Beginner

    ベトナムでは COVID-19 が世界的に流行する以前より、日系企業のオフショア開発の縮小・撤退が散見されるようになってきました。ベトナム経済の継続的なえげつない高度成長により(コロナ禍でもGDPプラス成長)、コスト上昇が著しいのは事実です。コスト、品質、そのバランスなど悩みどころはたくさんあります。

    ベトナムの開発では日系企業の場合、基本的には、通訳を通じての日本語もしくは直接英語でやり取りを行いますが、

    言葉が通じることと、話しが通じることは違います。

    要件を正しく伝える・相手の言いたいことを正しく理解する。ごく基本的で大切なことですが、特に国を超える場合、思考の背景にあるコンテキスト(カルチャー)を理解することが重要です。お互いが。

    私は2014年12月からおよそ6年半、

    • ハノイ、ホーチミン
    • 案件を出す側・受ける側
    • 保守運営案件、新規案件、自社開発案件
    • ラボ型開発、受託開発
    • エンジニアがいるクライアント、いないクライアント

    など様々な組み合わせで、PM、エンジニア、人事、経営などの立場でベトナムに関わってきました。

     

    Made in Vietnam のソフトウェア開発を世界品質にすべく活動するなか、試行錯誤してきたこれまでの取り組み、現在の取り組みをシェアしたいと思います。

  • Shota Suzuki
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    Shota Suzuki - 商用車メーカーの内製DXスクラムチーム奮闘記  ~スクラムブルーからの脱却と成長~

    Shota Suzuki
    Shota Suzuki
    DX Dept.
    Hino Motors Ltd.
    schedule 2 months ago
    Sold Out!
    45 Mins
    Talk
    Beginner

    トラック・バスといった商用車のメーカーである日野自動車は、コネクティッド技術や車両IoTデータを活用したソリューション開発にチャレンジしています。
    より早く・多くの価値をお客様にお届けするための施策として、あるプロダクトの開発を、内製主体でのスクラム開発で進めることにしました。

    チームメンバーにアジャイル経験者はゼロ、半数はシステム開発の初心者、おまけに仕事はフルリモート前提・・・
    不安が募る船出でしたが、パートナー会社(NEC)によるコーチング・共同開発などの取り組みを通じて、習熟と改善を繰り返してきました。
    企画から数えて約1年、8回の開発スプリントを通じて、チームとして工夫してきたこと、乗り越えてきたこと、学んだことを共有します。
    スクラムの世界に足を踏み入れたばかりの「よちよちチーム」ですが、私たちなりの創意工夫が皆さんの参考になれば幸いです。

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