誰も嫌な思いをしない変化
僕はこの10年間、色々なチームでスクラムをやってきました。でも、ちゃんとスクラムができたことはありません。それで良いんだろうなと思っています。そして、前に進むための選択をし続けているなら、それはもうスクラムと言ってしまってもいいんじゃないかと思っています。
昨年サポートを依頼してくれたチームは、いくつかの課題を抱えていました。見にいってみると(と言ってもオンラインですけど)、全員が「しっかりがんばらなきゃ!」と全力で改善に取り組んでいたのに、うまく噛み合っていない状態でした。そんなチームも、今はもう「仕組みを改善する仕組み」がチームの中にできている状態です。自分たちで毎日、より良い開発ができるように試行錯誤しています。なにより、ひとりひとりが前を向いて自分に何ができるかを考えているのがとても良いなぁと思いながら見ています。
そのサポートの中で、自分が今回挑戦したのは「誰も嫌な思いをしない変化」です。できていないことを指摘するのではなく、今みんなができることを見て、その頑張りがうまく噛み合う場所を一緒に探すことで、そのような変化を実現することができました。組織やチームに変化をもたらすということについて、今の自分の中にある2つの軸と、自分が実際に何を見て・どう捉えて・次の行動を選択しているのかという観察と選択のループを、以前の自分が陥っていた問題をまじえて、お話します。
これまでの発表では、少しキレイに見える部分をすくってお話してきましたが、今回は自分の内側に触れてみようと思います。あんまり見せるものでもないかなとは思うんですけど、スクラムフェス大阪だから良いかなと思って。色んな人たちとの出会いの中で、少しずつ変化してきた自分の考えや、内側で起こっていることをお伝えします。たぶん今後は、もうこんな話はしないんじゃないかな。
楽しんでもらえると嬉しいです。みなさんにお会いできるのを楽しみにしています!
Outline/Structure of the Keynote
- 誰も嫌な思いをしない変化
- 変化って難しい
- 相手に期待をしない
- 相手の気持ちを考えない
- 観察と考察と選択のループ
- 誰も嫌な思いをしない変化
- 自分を変える
- 前に進むための選択
Learning Outcome
スクラムフェス大阪で色んな話を聞いて自分の次の一歩を考えてみよう!ってワクワクした気持ちになる。
Target Audience
スクラムフェス大阪参加者のみなさん
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schedule Submitted 1 year ago
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Shigeo Konno - なんちゃってアジャイルコーチが、コーチングを受けて気づいたことを共有します
20 Mins
Talk
Beginner
アジャイルでは、なぜ支援者がトレーナーではなくコーチなのか?
どっかに引っかかりを感じながら、でも、なんとなく見ないふりをして、アジャイルコーチのマネごとをしてきました。
アジャイル支援サービスを構築して、販売して、徐々にお客さんからも評価いただくうちに、
自分がやっていることが本当にアジャイルコーチなのかに自信を持てなくなってきました。ある日、流石に見ないふりが苦しくなって、
コーチを探し始めたら、わざわざ時間をとってたくさんのコミュニティの仲間が相談に乗ってくれて
スーパーコーチのAkiさんにたどり着きました。現時点では導入となる6回のセッションが終わった段階、
旅の途中ですが、同じもやもやを持っている方に何かの助けになればと思って、自身の体験を共有します
※発表内容は個人の主張・主観であり、所属している組織とは関係ないものになります -
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Kei Nakahara - 老舗メーカーにみんなでアジャイルを導入してみました ~「俺がやる!」から「みんなでやる!」に至るまで~
45 Mins
Talk
Beginner
既存の組織体系やマインドが色濃く残る老舗メーカーで、健全なソフトウェア開発を実現できるよう全社的にアジャイルや要求開発の導入を推進してきました。
2016年に、ほぼ私一人で始めた活動ですが、今では20名を超えるコーチングチームを組織するに至りました。
一部の活動は私の手を離れ、完全に社内コミュニティを主体に運営されています。
さらに、毎年開催している社内のアジャイルカンファレンスは、17年時点は約450名ほどの参加者だったのが20年には倍の約900名にまで増えました。
さらにさらに、私が支援した社内のサービス開発チームが、SFOにプロポーザルを出すに迄いたりました。ここに至るまで経緯や具体的な施策、現在直面している困難と課題についてお話しさせて頂きます。
現在の途中経過ではありますが、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
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Kazuki Mori / Takahiro Kaneyama - ふりかえり手法のおもちゃばこ〜最近生まれた新しいふりかえり手法をお届け!〜
Kazuki Moriふりかえり&Miroの黄色いエバンジェリスト野村総合研究所Takahiro Kaneyamaスクラムマスター、PMO野村総合研究所schedule 1 year ago
45 Mins
Talk
Advanced
みなさん、ふりかえりは楽しんでいますか?
うんうん、いいですね!私はすっっごく楽しんでいます!!この2-3年、ふりかえりのことを発信する人たちが増えてきました。
日本で初開催された ふりかえりカンファレンス では、22名もの人がふりかえりの想いや新しい手法を語っています。
また、ふりかえりamでも、Podcastの中でゲストが様々な手法を紹介してくれ、新しい手法も生み出されています。日々、新しい手法が生み出されているふりかえり。
このセッションでは、近年生み出された手法を紹介していきます。
どれも楽しくわくわくする手法ばかりですので、気になる手法を真似してみてくださいね! -
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Yotaro Takahashi - もしもエンジニアリングマネージャーが妻のアメリカ出張を一年間経験することになったら
45 Mins
Talk
Intermediate
My Wife Went To U.S.
それは突然のことでした。「ねぇ、4月からアメリカ行っていい?」
そこから始まる父と小学生の息子2人、トイプードルの娘1人との1年間の情熱ワンオペ育児。たくさんの不安がよぎります。しかし、この困難に正面から立ち向かうことにしました。自分の道具箱にはエンジニアリングマネージャーとしての経験があります。これをどうにか活かすことはできないかと取り組みを始めます。
エンジニアリングマネージャーが家事育児にトライしてみると?
実際に取り組みを始めてみると、自分のこれまでのエンジニア、マネージャーとしての経験が多くの場面で活かせることに気がつきます。実際に経験したものの一例は下記のようなものです。
- あ、冷蔵庫行ったり来たりすると面倒だな(TPSのムダの発見と解消)
- 仕事をどう調整つけようか、不安がる実家の親をどう安心させようか(ステークホルダーへの透明性)
- ホットクック(自動化)
- 水回り、お金払ってピカピカになるととってもアガるし効率がいいな(アウトソース)
- 料理代行、ただ作ってもらうだけだとそんなに楽にならないな(リーンソフトウェアの「全体を最適化する」)
- 大根が嫌い? なら千切りにして味噌汁に入れたらどうなるかな?夕飯で試そう(高速に実験&学習する)
これらの活動を通して、苦労していたワンオペ育児もだんだんと楽しく、より良くなるように感じています。また、今までの経験・知識をワンオペ育児へ再適用することで、これまでの経験にもより深い理解にたどり着きました。
このセッションについて
このセッションでは、私が実際に経験した家事・育児での困難さを、自分のエンジニアリングマネージャーとしての経験から見たときにどう見立てられるのかを学び、どう戦っていったのかを話します。その中でのフィードバックループを回す中で、自分が持っているアジャイルやソフトウェアの知識もより深い理解にたどり着いたように感じたので、その学びについてもシェアします。
アジャイルな思想や方法論をどのように適用したら良いのかがわからず困っている人がもしいれば、このセッションを聞いてみませんか? ソフトウェア開発とは全く異なる対象領域ですが、アジャイルな家事育児を通して、理論と実践、思想と方法論がコネクトできるヒントになると思っています。もちろん日々の家事・育児に悩んでいる人も参考になるTIPsが多いと思いますので、参考にしていただければ幸いです。
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Yuya Kazama - 開発が加速していくために、テストコードを書き始める前から考えるべきテストの話
45 Mins
Talk
Beginner
システム開発において、テストは切っても切り離せない存在です。
しかし、「カバレッジを満たすために書いている」「テストコードは書いたが、本番でトラブルが多発している」となっていませんか?
実は、テストコードを書き始める前に既に勝負は決まっています。
本セッションでは、実際に例題を使って皆さんにも考えてもらいます。そして、作業ではないテストについて“体験”し“実感”してもらいます。
本セッションの体験を通じて、「開発エンジニア」「テストエンジニア」がともに考えて作り出す、一歩先行くテストの世界をご紹介します。 -
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aki matsuno - コミュニティ活動で得られた知識と希望~オンライン勉強会に半年で200回参加して感じたこと~
20 Mins
Talk
Beginner
完全未経験&文系でソフトウェア開発の道に飛び込んで3年半、仕事で少しずつ成果が出せるようになったものの、度重なる挫折と大きな無力感を抱いていた自分は、藁にも縋る想いでオンライン勉強会への参加を始めました。
そこで出会ったのは、アジャイル開発をはじめとしたソフトウェア開発を豊かにする多種多様な知見と、常に変化を楽しんでお互いに刺激を与え続けているコミュニティの方々でした。
素敵な出会いに囲まれた自分は、焦燥感から参加していた勉強会が楽しくなるばかりか、これまで嫌いだった"学ぶ"という行為が楽しく感じられるようになりました。
気が付くと、物事を継続することが苦手だった自分は毎週勉強会に参加して毎日読書するようになり、200回の勉強会参加&100冊弱の読書をしていました。そして、コミュニティの方々と一緒に学びを深めるにつれ、知識が身につくのみならず"自分自身と向き合うこと"の重要性を意識するようになりました。
今回は、自分がアジャイル開発や様々な学問から学んだ知識やもらった希望、そして自分に多数の知識と驚くほど大きなエネルギーをくれたコミュニティの方々の話をしてみようと思います。
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Yukio Okajima - 成功と失敗に学ぶアジャイル受託開発の極意
45 Mins
Talk
Intermediate
特にこの数年、日本の受託開発でもアジャイル手法が普及してきている実感はあります。しかし一方、アジャイル受託開発を、日々の当たり前として定着させる難しさも見えてきました。「顧客との関係」「メンバーの育成」「事業の成長」、これらはそれぞれ長い目で取り組む必要があり、かつ相互にトレードオフを含む適応的な課題でもあります。
例えば、次のようなシチュエーションにどのように対応すると良いでしょうか。
- 本来なら受けがたい一括請負によるアジャイル開発を将来有望な顧客から求められたら?
- プロジェクトがピンチ!火消しをすべきなの?チームにまかせるべき?
- ウォーターフォールとのハイブリッドの是非について顧客とメンバーの意見が合わないのをどうすれば?
このセッションでは、受託アジャイル開発を生業とする私たちが、成功や失敗の体験を分析することでたどり着いた「アジャイル開発の組織定着に向けた一つの型」を提示させていただきます。私の立場上、どうしても受注側の視点がメインとなってしまいますが、発注側の方にとっても、ヒントになることは多いかと思います。
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Yuichi Tokutomi - ゲームのように学ぶアジャイル開発
20 Mins
Talk
Beginner
アジャイル開発に興味のあるみなさん、どうやって学んでいますか?
XP の白本から始まったアジャイル開発。その後、たくさんの本が出版されてます。本に書いてあることは良さそうなのですが、実際にやろうとすると分からないことだらけだったりしませんか? スクラム開発をやってるとつもりだった自分のプロジェクトが "ミルクボーイがアジャイルを説明したら" のネタになっててハッとしたりしませんでしたか?
そんなアジャイル開発の入り口にいる人たちに向けて、私がどうやって学んできたのか? 学び続けているのか? XP 白本の発売から 20 年の道のりをお話したいと思います。入り口から一歩進むきっかけにしていただければ幸いです。
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Junki Kosaka - スクラムから見る野中郁次郎先生と組織変革
20 Mins
Talk
Intermediate
RSGT2021をきっかけに2冊の本を読みました。
『知識創造企業』と『ワイズカンパニー』。
この中で語られている、
組織がよりいきいきするを、みんなで実現することに
とても魅せられてしまい、野中郁次郎先生のファンとなりました。20年前に語られていた野中先生のお話を、
スクラムを学んだ目線で読み解いてみると、
非常に面白い要素がたっぷり詰まっていました。野中先生は、1986年に『The New New Product Development Game』という、
スクラムの原点となった論文を書かれたことでも有名です。そんな切っても切れないスクラムと野中郁次郎先生について、
にわかファンのJ.Kが熱狂したポイントを語り尽くします。 -
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Ryuku Hisasue - 良いチームを形成する方法 〜リーダーのいない組織を大学生が挑戦〜
45 Mins
Talk
Beginner
このセッションでは,大学のPBL(Project Based Learning)でリーダーのいない組織を形成し,その活動の中でどのようにチームが成長してきたかをお伝えします.
いま,日本の大学ではPBLという学習方法が広く実施されています.PBLとは,実際にプロジェクトチームを形成してプロダクトを作る経験を得ることによって,チーム開発やチームマネジメントの手法について学ぶことができる学習手法です.私が所属する大学でもPBLのカリキュラムがあり,スクラムを用いてプロダクトを作るという経験を得ました.しかし,私たちのチームはほかのチームとことなりリーダーを決めずに活動してきました.そして,その結果として,とても良いチームを形成できたと感じています.
リーダーもいなく,開発初心者が集まるプロジェクトで,どのようなことに苦労したか紹介・分析し,そのうえでチームをより良くするためにはどうすればいいかお話ししていきます.
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Takao Oyobe / kyon _mm / Mori Yuya / Toshiharu Akimoto - Deep Dive Experts - 達人が見ている世界を覗いてみよう -
Takao OyobeアジャイルモンスターHoloLab Inc.kyon _mm執行役員デロイトトーマツコンサルティング 合同会社Mori YuyaProduct Management Coachwitch&wizards inc.Toshiharu AkimotoCoach / CatalystKumu Inc.schedule 1 year ago
90 Mins
Talk
Beginner
達人たちが見ている世界を覗いてみませんか
「あの人はこの問題に対してなんて答えるんだろう?」
「あの人はこの答えに辿り着くまでにどういう思考プロセスを経たのだろう?」
「あの人の頭の中身が見てみたい!!」
と思ったことはありませんか?同じようなプラクティスや手法を用いていても、人/チームによってまったく違う結果になります。
つまり現場での成功には、形式的な方法だけでなく、それを扱う人の呼吸、思考、メンタルモデルが大きく影響しているということに他なりません。このセッションでは達人たちが見ている世界を覗いてみる実験をします。
ある分野で研鑽を重ねる達人同士が、お互いにインタビューをすることでお互いの思考を探ります。
ただのインタビューでは見ることができないDeepな世界にDiveしてみましょう。 -
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Takahiro Kaneyama - スクラムマスターこそ考えたい、言葉のアウトカム
20 Mins
Talk
Beginner
スクラムマスターの役割で動いていると、さまざまなところで言葉を利用したアクションが必要となります。
スクラムマスターのみなさんは、とてもたくさん勉強をして、色々と新しい発見をして、それをチームに伝えたい!そんな思いやりのある方ばかりですよね。
しかしながら、「伝え方が悪くて伝わらない」「うまく伝えられない」という気持ちになったことも一度や二度ではないはずです。
このセッションでは、言葉は伝える(アウトプット)だけではなく、伝わった(アウトカム)を大切にしていくことが大切だという気づきを得た経験から、言葉のアウトカムを最大化するための方法を紹介して、皆さんの言葉の力を引き出せることを目指しています。
チームのスクラムマスターとしての経験だけではなく、Podcastのパーソナリティとしての経験やカンファレンス運営の経験など、様々な角度から言葉のアウトカムについて考えてきた経験を基にお話をさせていただきます。
言葉のアウトカムを高めるために必要なのは、ふりかえりです。
自分の発言した言葉をふりかえることはできていますか?
仮説を立てて、発言をして、ふりかえって、カイゼンするといったサイクルを日々考えることができていますか?
実際に私が行っているふりかえりの方法や、簡単にできる言葉のふりかえり方法の紹介を通して、皆さんがこれから話す言葉の一つ一つを大切にできるようになります。
さらに、言葉のアウトカムを高める意識が高くなっていくと、問いのスキルも向上します。スクラムマスターにとって大切な問いのスキル
効果的な問いをチームに投げかけることで様々なことを引き出すことができると皆さんは感じていると思います。しかり、それを実践することはとても難しいことです。
効果的な問いをするためにはどうすれば良いのか?どのように訓練をすれば効果的な問いを生み出すことができるのかをお話しします。
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Tsutomu Yasui / Yoh Nakamura - 紙芝居で2人のアジャイルコーチがScrumのあるあるをちょっとだけ語ってみる
20 Mins
Talk
Beginner
スクラムやアジャイルに初めて取り組むときにありがちなことをネタにして、2人のアジャイルコーチが、紙芝居でRPG風の物語のワンシーンを演じつつ、スクラムやアジャイルでの落とし穴について解説をします。
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Jean-Baptiste Vasseur - リーダーとは何か、その答えをずっと探していたがCAL2を受けてやっと理解し始めた話
45 Mins
Talk
Intermediate
昨年弊社のメンバーが徐々に増えてきて、自分としてよりリーダーらしい立場と振る舞いをとっていきたいと考え始めましたが、そもそもリーダーとは何か、そこからスタートする必要がありました。
色んな書籍やネット記事を読めば大体のことが理解できますが、相反する考え方もあれば自分としてこういうリーダーになりたいというものがちゃんとフィットするものも見つかりませんでした。
そこで2020年9月にScrum AllianceのCAL(Certified Agile Leadership)プログラムに出逢いました。
よし!CAL1とCAL2を取得してヒント探しに行くぞ、と。
そして2021年4月現在、無事終わりました。確かにヒントは得られました。
しかし、経験したこと、学んだこと、得られたものは想像を遥かに超えていました。
皆さんにもぜひアジャイルリーダーの旅に出て欲しいという気持ちを込めて私のアジャイル・リーダー・ジャーニーを語りたいと思います。
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Retsuya Yamamoto / JUNJI MATSUMOTO / Noriyasu Sakaue / yamamoto kodai - 実録!CLアジャイル道場!
Retsuya YamamotoEngineerCreationlineJUNJI MATSUMOTOAgile CoachCreationlineNoriyasu SakaueITEngineerCreationline,Incyamamoto kodaiscram mastercreationlineschedule 1 year ago
90 Mins
Track Keynote
Beginner
- 当セッションではCLで開催しているアジャイル道場の背景や目的を紹介します。
- アジャイルCL道場では、門下生同士によるアジャイルな開発体験を通して、会話を中心としたコミュニケーションと信頼関係の向上を目的にしています。
- その具体的な様子をアジャイル道場の道場主と門下生の両方の立場から赤裸々にお話しします。
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Chiemi Watanabe - 探究とアジャイル
45 Mins
Talk
Beginner
小学校から企業まで、生き生きとした学びや仕事のために取り組んでいること・大切にしていることが
こんなに共通しているんだ!と嬉しくなった話をしたいと思います。
私は筑波大学や筑波技術大学でプロジェクトベース学習(PBL)を教えており、そこでアジャイル開発のやり方を取り入れています。(アジャイル開発を取り入れたPBLを「AgilePBL」と呼んでいます)
これまでは、アジャイル開発によるPBLを「価値のあるプロダクトを、開発チームが顧客などと一体になって、探索しながら継続的にデリバリする方法(の経験)」として捉えてきましたが、プロジェクトを通して学生たちが生き生きと活動をし貪欲に学びを得ていく様子を見て、AgilePBLを学びの効果、教育の視点で深掘りしたくなりました。
そのなかで「探究学習」を知り、探究学習に関わる小中高の先生方や教育関係の企業の方々が集まる勉強会に参加しながらいろんな方のお話を聞いています。そこで知ったことは、探究学習では生徒自身がプロジェクトを通して生き生きと学びを獲得すること。教師から知識をトップダウンで押し付けられるのではなく、自らが持つ知識を経験を持って拡張していくこと。探究学習を「指導する」のではなく、教師自らもジェネレータとして探究すること。大切にしていることの多くが共通していることを知りました。
そして探究学習を探究する人の多くが、RSGTやScrum Festなど、このコミュニティで会う方々と同じくとても生き生きとしていること、学びに貪欲であること、他を尊重していることに驚きました。
探究とアジャイル、まだ学ばなければならないことが多く、自分の中で整理している最中ではありますが、今の私の思いを含めてお話しできたらと思います。 -
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Kohsuke Kawaguchi / 平鍋健児 - 日米ソフトウェアよもやま話〜実話と夢成分で語るビジネスとエンジニア人生
90 Mins
Talk
Beginner
アジャイル界では知らぬ人はいない平鍋健児さんと、Jenkinsを作った川口耕介さんが、ソフトウェア作り、日米のソフトウェア産業の違い、技術者のキャリアなどについて対談します。どんな話が飛び出すのかは、参加してのお楽しみ!
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中村 薫(Kaoru Nakamura) - リモートワークの課題をモブワークで解決する試み
45 Mins
Talk
Beginner
リモートワークの課題をモブワークで解決する試み
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Mori Yuya - プロダクトオーナーマニアックス! POとSMの原点の原点をさかのぼって学ぶ初代主査 中村健也の働き方
45 Mins
Talk
Advanced
■チーフエンジニアというプロダクトオーナーとスクラムマスターの原点
スクラムではプロダクトオーナーという役割が用意されています。この役割はどのように作られたのでしょう。ジェフ・サザーランドが書いた『スクラム 仕事が4倍速くなる“世界標準”のチーム戦術』では次のように解説しています。
プロダクトオーナーという役割は、トヨタのチーフエンジニアから発想を得たものだ。
続いて、スクラムマスターの着想もチーフエンジニアからだったことが解説されます。
チーフエンジニアはただこうしろと指示を出せばいいのではない。メンバーを納得させ、うまくその気にさせて、自分が提案するやり方が正しくベストなやり方だということを示さなければならない。普通ならその道で三十年くらいの経験がなければ務まらない役割だ。そこでこの役割を二つに分け、仕事の進め方をスクラムマスターが、仕事の内容をプロダクトオーナーが管理する分担制にした。
もちろんチーフエンジニア以外からも参考にされたものはたくさんあるでしょうが、POとSMというアイデアに大きな影響を与えたようです。
■機能しないチーフエンジニア
しかし、チーフエンジニア制度と半世紀近く携わり、自らもセリカ、カリーナ、スープラのチーフエンジニアであった和田明広は次のように述べています。『和田明広オーラル・ヒストリー』 から引用してみましょう。
トヨタのチーフエンジニア制度について様々な企業から相談が持ち込まれますが、うまく機能しないことを述べています。※文中の主査は、チーフエンジニアの前の名称。
和田 チーフエンジニアという制度はあるのですが、トヨタみたいな機能はしないのです。マーケットを見ていますけれども、新しい車をクリエイトするというようなことがなかなかできないのです。
尾高 日本の中ではどうですか。
和田 同じです。
また現在のトヨタにおいてもチーフエンジニア制度は、機能しているか疑わしいと述べています。和田 よそのチーフエンジニアですか。でも、いまはトヨタのチーフエンジニアもそうですからね。いまはそんなに能力のある人間はいません。そんな2年や3年ちょこちょこっとやったぐらいで十分な能力ができるわけないですよ。我々だってどのくらい失敗したかわからないわけです。10年から実質的には何十年やっていますけれども、どれくらい失敗したかわかりません。
■トヨタのチーフエンジニア制度が生まれる過程
ジェフ・サザーランドがスクラムを構築する過程にチーフエンジニア制度があったように、トヨタのチーフエンジニア制度においても過程がありました。その中で和田明広は中村健也という人物に焦点を当てています。
松島 トヨタの場合は、なぜ他社とは異なる主査制度が生まれてきたたのでしょうか。
和田 それは前回申し上げたかもしれませんが、中村健也さんが素晴らしい実績を残されて、会社内全体が、主査のいうことは社長の言うことだ、そういうムードになったのだと思います。尾高 外国から主査の役割についていろいろ聞いてきたとおっしゃいましたね。その結果、外国で何か起きたのでしょうか。
和田 起きないと思います。どうしてトヨタでは主査というのがうまく機能するのか、ということですから。それはどうしてかと私に聞かれれば、それは中村健也さんから始まって全社的な組織とは違ったパーセプションを得られて、それでうまく動いているのだと説明するしかないのですけれども(略)※和田明広 日本初の乗用車である初代クラウンや、初代カローラのボディ設計を担当し、トヨタで大主査と呼ばれるようになった中村健也や長谷川龍雄と共に開発をした。その後、自身もセリカ、カリーナ、カリーナED、スープラの主査(チーフエンジニアの前の名称)、またプリウスのプロジェクト責任者を担当。トヨタ副社長、アイシン精機会長、日本機械学会会長を歴任。
トヨタ自動車株式会社名誉会長である豊田章一郎は『未来を信じ一歩ずつ : 私の履歴書』の中で、節をまるまる用いて中村健也を取りあげています。
その後、1962年(昭和37年)はにモデルチェンジした2代目クラウンには、より剛性の高い「Xフレーム」を採用した。
このときも、私は、技術部で中村さんと一緒に仕事をした。フレームをできるだけ薄くし、車高を低くすることを目指したが、X型フレームに対しては社内の反対も多く、まさに冒険そのものたった。
テストコースの悪路耐久試験ではフレームに亀裂が生じたが、中村さんは決して諦めなかった。私は、「これが失敗したら2人で一緒に会社を辞めましょう」と言って中村さんを励ました。いつも不退転の決意で臨む中村さんも同じ思いだった。中村さんの主査としてのやり方が骨格となり、今日のトヨタのCE制度がだんだんと築き上げられ、それがトヨタの特徴となり財産にもなった。
初代クラウンとともに主査中村健也は、いつまでも私の心に残る技術者だ。いかに情熱を持って仕事に取り組むか。そのような精神の持ち方を訓練すれば、私のような若い技術者でも大いに活躍できると思った。※CE制度とはチーフエンジニア制度のこと
いったい中村健也とは何者なのでしょうか。どのような仕事や仕事の仕方をしてきたのでしょうか。
■このセッションでは何をするか、何が得られるか
スクラムのPOとSMはジェフ・サザーランドによればトヨタのチーフエンジニア制度から着想を得ましたが、和田明広によればチーフエンジニア制度は他社では積極的に導入を試みるもうまく機能しておらず、まして現在のトヨタでも機能しているか疑わしいと厳しい評価をしています。
このセッションでは、私たちがプロダクトオーナーという役割をより効果的に果たしていくために「そもそもチーフエンジニア(主査)とはなんだったのか」を「中村健也」という人物を中心に、POとSMの原点(チーフエンジニア制度)の原点(中村健也)を70年ほどさかのぼり、プロダクトオーナーが効果的に力を発揮するための知恵を探ります。
参考文献
『スクラム 仕事が4倍速くなる“世界標準”のチーム戦術』ジェフ・サザーランド, 早川書房, 2015
『和田明広オーラル・ヒストリー』 松島茂, 尾高煌之助編 東京理科大学専門職大学院MOT研究センター, 2008.12(非売)
『未来を信じ一歩ずつ : 私の履歴書』豊田章一郎, 日経BP, 2015
『トヨタ自動車開発主査制度』塩沢茂, 講談社, 1987(絶版)
『主査 中村健也』和田明広編, トヨタ自動車株式会社, 1999(非売)
『トヨタの製品開発』安達瑛二, 白桃書房, 2014
『初代クラウン開発物語』桂木洋二, グランプリ出版, 2015(底本1991)
『トヨタ チーフエンジニアの仕事』 北川尚人, 講談社, 2020
『プロジェクトX 挑戦者たち われら茨の道を行く ~国産乗用車 攻防戦~』NHK -
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Hiromi Morikawa - 創業145年の日系大企業でのアジャイルへの挑戦
20 Mins
Talk
Beginner
145年の歴史を持つ大日本印刷株式会社。
時代の変化に適応し、印刷という名前からは想像できないほど、ものからシステム、SI案件から自社事業まで幅広いものづくりを行っています。そんななかで新規事業のシステム開発を担う、たった5人のスクラムチームからはじまり、
現在では会社全体になかまができ、外部コーチの力を借りながらアジャイル推進を行うまでになりました。
新規事業の開発チームしかいなかった状況から、プラットフォーム開発や受託開発での検討の話題にもなっています。
当初は1チームしかなかった開発チーム。チームと人材は徐々に増え、会社としての取り組みが加速しています。開発チーム内での実践から「アジャイル推進」へ役割を変え、
どのようになかまを作りムーブメントを広げていったのか、大企業内で推進に向き合ってきたなかでの工夫や苦労をお伝えできればと思います。大きな組織のなかで試行錯誤している事例のひとつが、みなさんの参考になれば幸いです。