モブコードリーディング 〜 コンポーネントチームからフィーチャーチームを目指して 〜
私たちのチームでは、有志が集まって自分たちのコードを一緒にわいわい読む活動をしています。ここでは、この活動を「モブコードリーディング」と呼ぶことにします。この活動は、コンポーネントチームからフィーチャーチームへの移行を支援するためにはじめたものです。
私たちは、4つのコンポーネントチームでNexusをベースとしたスクラムを導入し、1つの自社サービスを開発していました。開発を続けるうちにビジネス状況によりすばやく対応する必要性が高まり、私たちはフィーチャーチームへの移行を目指すことにしました。この移行に際しては、チームの構成を維持したまま、これまで担当外だったコンポーネントの開発を徐々に手掛け、各チームが開発できる範囲を拡大するアプローチを選びました。この状況の中で、普段の開発による学び以外でも自分たちのコードについて理解を深める機会があるとフィーチャーチーム化が加速するだろうと考え、モブコードリーディングを企画しました。
私たちのモブコードリーディングでは、特定の「お題」を設定し、そのお題に沿ってコードを読み解きます。参加者は各自でエディタを開く、もしくはVSCodeのLiveShare機能を利用して、その場でコードを読みながら動作や疑問について話し、理解を共有し進めていきます。モブコードリーディングにより、コードの理解が深まり、リファインメントやトラブル対応で効果的な議論ができる人が増え、また暗黙知なども共有されました。
このセッションでは、私たちがモブコードリーディングをはじめた背景と目的、そしてどのように実践し、その効果をどのように感じたのかについてお話します。
Outline/Structure of the Talk
- 背景: 私たちのチームの変遷
- モブコードリーディングの企画
- モブコードリーディングの実践
- モブコードリーディングの効果
Learning Outcome
- チームで学ぶ活動のヒントとなる
- チームで新しい活動をはじめるきっかけとなる
Target Audience
チームのケイパビリティ向上のための施策に興味がある人
schedule Submitted 3 months ago
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Kazuki Mori - Don't just Do ふりかえり, Be ふりかえり!
45 Mins
Talk
Intermediate
※ふりかえりが形容詞じゃないという部分は投げ捨てています
アジャイル、スクラムのなかで、とても親しみやすく、そして奥が深いのが「ふりかえり(Sprint Retrospective)」というイベントです。
スクラムを始めて1, 2年のチームの話を聞くと、こんな悩みをよく聞きます。- Tryを出しても行われず、毎回似たようなTryが出てくる
- 出てきた問題がチームだと対処しようがない問題で、解のないまま終わってしまう
- ふりかえりの〇〇の手法をやっているけど、しっくりこなくて…
- どうやって自律的に(スクラムマスターが不在でも)ふりかえりが回せるようになるの?
これらの悩みの中には、下記のような潜在意識が隠れています。
- 「ふりかえりで問題を解決すべき」と思っている
- 「ふりかえりが問題を解決してくれる」と思っている
- 「ふりかえりをうまく回す」ことが目的化している
- 「特定のふりかえりの手法が問題に対しての特効薬となる」と思っている
こういった考え方は間違いではありません。ただ、それがふりかえりのすべてのように感じられてしまっている、もしくはそう思い込んでしまっている現場も少なくありません。
「Do ふりかえり」の意識では、あくまで「ふりかえりの中でなんとかする」という考え方が生まれがちです。ですが、ふりかえりの時間は仕事の時間の中ではごくわずか。アジャイル開発・スクラムにおいては、1週間で40時間働くうち、毎週1時間ふりかえりをしたとしても、たった2.5%の時間でしかありません。この時間の中で、残り97.5%で生まれた問題を解決するというのは酷です。
それではどうするのか。97.5%の時間で問題が解決される(もしくは良い方向に変化が起きる)ような状態を作り上げます。それが「Be ふりかえり」です。ふりかえりをするタイミングに合わせてふりかえるのではなく、チームの中で「自然とふりかえっている」状態を作ります。
この状態を作るには、「ふりかえり」の活動だけでは実現できません。チームビルディングを常に行い続け、チームのコミュニケーション・コラボレーションを活性化させる。「継続的チームビルディング」とも言える活動を取り入れてこそ実現できます。そして、その継続的チームビルディングを行いやすい場が、「ふりかえり」の時間なのです。
このセッションでは私が複数の現場で再現性を高めてきた、「Be ふりかえり」の状態に至るまでのプロセスと、その一歩目の踏み出し方・継続の仕方をお伝えします。ふりかえりをより楽しみ、チームとプロダクト、そして事業が成長していくための道のりと実際の事例をお話ししたいと思います。
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Asato Takahashi - 価値提供を続けるチームはマインドセットに支えられていた
45 Mins
Talk
Intermediate
# このセッションで伝えたい
- ビジネスやチームへの期待、メンバーのキャリア、ライフステージなど、チームの環境や状況は良くも悪くも変化し続ける
- 大事なことは、変化をコントロールしようとするのではなく、チームが変化に適用して価値提供を続けられること
- そのためにはスキルやプラクティスの前にチームのマインドセットが醸成されていることが肝要
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僕たちはチームの立ち上げから1年でチームの形が6回も変えました。1チームスクラムから始まり、3チームスクラム、2チームスクラム、2チームスクラム+1チーム、2チームLeSS+1チームスクラム、3チームLeSS、そして今は2チームLeSSの体制です。メンバーの増減も頻繁なので毎月変化がありました。ビジネスの変化は対応するため、期待に応えるため、はたまた自分たちの挑戦のため、個人のキャリアのため、そのときどきの状況に応じて適切だろう体制を選択し続けてきました。
こんなにチームをいじりつづければ、チームはてんやわんや。成果も出ず、スクラムは破綻し、チームは空中分解…みたいになると思いませんか?
しかし、僕たちはちゃんと機能しているチームしてるんです!チームの形は安定させていないけど、安定した価値提供と成長を続け、社内で参考にされるプロダクトチームに成り上がりました!
なぜこんなことができたのか。それはマインドセットに力を入れてきたからです。アジャイルマニフェスト、スクラムやXPの価値基準、モダンアジャイル、テスティングマニフェスト、HRT、LeSSの原則…。そんなマインドセットをチームで理解し、それをベースにプラクティスに取り組んでいるから、形に拘らず変化に適応できるチームになれました。
このセッションでは
- なぜマインドセットが大切なのか
- 僕たちが大事にしているマインドセット
- どうやってマインドセットを当たり前にするのか
- 何を考えてチームの形を変化させてきたのか
などを共有します。変化に強いチームをつくる参考になれば嬉しいです。
ぜひ、チーム自慢させてください!
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Hiroaki Ninomiya - ベンチャーキャピタル(VC)にアジャイルコーチがいたら親和性が高かった件 〜スタートアップの開発チームをハンズオン支援した中でのまなび〜
45 Mins
Talk
Beginner
私はスタートアップが好きです。
一般にスタートアップではリソースに限りがあるので、関係者全員が目線を揃えリーンに取り組む必要があります。ビジネスが確立しておらず内部の仕組みが整っていないことがザラなため、常に不確実性やカオスと隣り合わせです。
そんなスタートアップという存在が、文化祭前夜のようなワクワクを演出し私を魅了するのです。
私自身も元々は開発者として、いくつかのスタートアップを経験してきました。
そこから様々なスタートアップに携わり、かつ視点を変えることができと考えベンチャーキャピタル(VC)に転職したのが3年前。今では投資先支援チームの一員として、主に投資先スタートアップ企業を対象にスクラムを導入・運用を改善する業務に従事しています。
現職に来てから今日まで、濃淡はありますがDDを含めると100社以上のスタートアップの開発現場に関与しました。
支援に際しては、私自身が3ヶ月〜半年限定のアジャイルコーチとして現場に入ることもあります。そんな私自身の経験の中で思ったのが、アジャイルコーチの能力を持つ方々にもっとスタートアップに参入してほしい、ということです。
リーンであり続けなければならないスタートアップに、アジャイルコーチの支援が必要だというのは意外でしょうか?
ですが、実際に支援でスタートアップに入っていくと、ちょっとした手助けで会社というチームがよくなることがたくさんあるのです。そして私の場合、その視点はスタートアップで働いていた頃は持てていなかったな、と感じています。
つまり、アジャイルコーチの力が適しているのに、当人では気づきづらい何かがあるのです。本セッションでは、以下のトピックを扱います。
まず、セッションの前提となる、会社や業務のバックグラウンドについて。
次にスタートアップの環境で、私がトライして上手くいったことやいかなかったことについて。
そして最後に皆さんがスタートアップでのアジャイルコーチを検討する際に見極めるべきポイントについてご紹介します。セッションを通じて、みなさんにスタートアップで働くことの魅力をお伝えできればと考えています。