私は夢と志を持って、新卒で製造メーカー子会社へ入社した。
官公庁向けのシステム開発で、本当に日本で生活する人の暮らしへ貢献したいと思い抱いていた。
しかし、蓋を開けてみると、現場は肉体、精神、どちらの健康に対しても良くない惨状だった。
仲間や自分自身を助けられないのに、世の中への貢献もへったくれもない。
そこで、私はアジャイルを導入しようとした。
結果、アジャイルは導入されることもなく、少しのカイゼンもできず、その会社を去った。
その様な背景を持った私は、現在、また製造メーカーに戻り、R&Dに携わらせてもらっている。
そこでもアジャイルやスクラムは導入していない。
ただ驚くことに、チームは会社が実施するアンケート調査の職場力とやらで、高数値を叩き出した。
チームは、
「研究調査の時は、何もプロセスを導入せず自由にタスクを進め、
緊急時だけ、カンバンを導入する」
と言う、フレキシブル(?)な形に収まっている。
そこには、スクラムと言う言葉を出さず、学んだエッセンスを入れ込み、こっそり取り組んでいる背景もあるが、
なぜその様な形になったのか?
私は、どの様にチームに向き合い、どの様にチームを見ているのか?
過去の経験とも比較しつつ、紹介したいと思います。
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2022/8/14 追記
運営メンバーのみなさまから頂いたコメントに答える形式で説明することで、
よりセッションの詳細が伝わるかと思いますので、その形式で追記します。
> タイトルですが、このセッションの中で一番伝えたいところがそこなのか?と思いました。
> Learning Outcomeで述べているチームとは、去った前職のチームではなく現職のチームを指していると思っています。
> 現職でチームに向き合って前向きに取り組まれている話かと思いますので、
> ちょっとタイトルと本セッションで伝えたいこととのギャップがある気がしました。
今回、焦点を当てたい所は「チーム」ではなく「去った人」で、キツイ表現をすると「挫折した人」がどの様に挫折後を生き抜いているかです。
よって、決して前向きな話ではなく、ドロドロした部分も正直に伝えられたらと思っています。
それらを伝える道具の1つとして、現職チームの仕事の進め方を選びました。
私が挫折をした時、成功体験の情報は手に入れやすかったのですが、挫折した人のその後の情報は入手しづらく、今でもそうですが、不安の中を手探りで生きています。
その様な過程から、私という1例を紹介しようと思っています。
> 製造メーカーでのチームとの向き合い方」とあるが、”製造メーカー”特有の問題なのか、
> そうだとしても”製造メーカー”というところをもう少しブレークダウンした方が良いと思います。
同じ製造業でも、事業分野、社歴、従業員数などで少しずつ特徴が変わるので、その点も少し触れられたらと思いますが、概ね今回挙げる組織は、以下の特徴がある組織です。
・安定思考の人が多く変化を恐れる
・過去のトラブルや契約などでしがらみが多い
・規模が大きすぎて、お金の流れに実感が湧かない
ベンチャー企業も経験したことがあり、ベンチャー企業でもこれらの特徴は全くないとは言えないですが、経験してきた製造メーカーの方が傾向が強いと感じました。