世界経済フォーラム・世界銀行(World Bank)が発表した男女格差のレポートによると、ジェンダーギャップ指数は日本は116位です。女性マネージャーの数はOECD諸国の中で最も少なく、長い間、その状態が続いています。
アジャイルコミュニティで仕事をしている時はそこまで感じることがないこの話題ですが、それでも私がコーチしている非IT企業や、スクラムトレーナーとして女性達に出会うと、女性は孤軍であることが多いです。(特に管理職となるとなおさらマイノリティ!)
Harvard Business Reviewにあるように、アジャイルは開発手法ではなく、文化を作ることです。
アジャイル変革を遂行している中でうまくいっている組織、失敗した組織に関するこの調査では、
"プロセスやツールよりも個人との対話 "の重要性を改めて掲示しています。
アジャイルチームが協調的な対話プロセスを行うためには、最終的に心理的安全性(ありのままをさらけ出すことがよしとされる環境)にかかっている、ともあります。
アジャイルな環境で女性をはじめ、より多様な人々が、コラボレーティブに、リーダーシップを発揮するにはどうしたらいいのでしょうか。
私達が働くSlalom(スラロム)は、シアトルに本社を置くデジタル変革専業のコンサルティング企業です。フォーチュン誌の「最も働きがいのある会社」100社に7年連続で選ばれており、13,000人の社員のうち女性の比率が4割を超えている稀有な企業です。
ダイバーシティや、女性活躍などこの手の講演やプログラムはすでにたくさんありますが、
今もなお、見える結果が出ていないということは、まだまだやりようがあるはず。
入社してすぐに、この会社の秘密や知恵を収集して日本で活かせることがないか、
思い切って調査をしようと思い立ちました。
なぜなら私自身も、リーダーの役割を持って働いた経験がなく、なんとなく自分からは遠い存在だと思っていたからです。
このセッションは前後半を通じてアジャイル文化を体現する組織(人間中心・コラボレーティブ、フィードバックと適応、多様性など)やリーダーとは何か?を探求していきます。
◆前半
前半は調査結果とインサイトを共有します。
調査に関しては実施するにあたり2つの観点と仮説を持って調査を行いました。
#統計学的観点での調査はしていません。あくまでインサイトを得るための、定性的なものが多いです
#ID&Eは性別だけが対象ではありませんが、今回は女性参画に焦点を当てています
(1)内的環境はどうか?
マネージャーとして活躍しようとする本人の動機があると思うがそれは何か?またはマネージャーとして選ばれる資質はあるのか?(きっとスーパーウーマンが自分で機会を勝ち取りに行っている人が多いだろう)
(2) 外的環境はどうか?
なぜ、マネージャーとして活躍できるのか?マネージャーとして活躍し続けることができる環境は何か?
(より大きな責任ある仕事や管理する仕事を任されることに喜びを見出しているんだろう)
社内のさまざまなチャネルにポストやメールをしまくり、集まった回答は約80。
その答えは私の想像するものとは正反対のものでした。
また、それらの結果にも驚くべき相関がありました!(お楽しみに!)
◆後半
後半では、Slalomで20年実験を繰り返している独自の制度や仕組み、運用方法についても具体的に共有します。
(People Leaderの定義と評価、キャリアフレームワーク、フィードバックの仕組みなど)
アメリカ各地域の女性リーダーたちが、快く、日本の女性リーダーの応援のために、また
インクルーシブな組織が生まれるように、たくさんのエールと事例を教えてくれました。
本セッションでは、日本の大きな組織で実際にリーダーを担ってきたメンバー、人事領域や組織の立ち上げを数多く行なってきたメンバーと、事例を踏まえながら発表します。