
Mark Ward
Specialises In
Mark Ward is the "QA Brain" with 10+ years experience working mainly in "agile" context, and is also the "International Conference Freak"!
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ビジネスへの越境を考える
45 Mins
Talk
Intermediate
このセッションでは「エンジニア(ソフトウェアエンジニア)がビジネスに越境するとこんな良いことがあるかもしれないよ、ワクワクするね」という投げかけをします。すべてのエンジニアがビジネスに越境するべき!なんて非現実的なことは言いませんが、一人でも多くのエンジニアがビジネスに興味・関心を持つことを目指します。
このところ「エンジニアももっとビジネスを知るべきだ」と耳にすることが増えてきました(よかったらTwitterで「ビジネス エンジニア」で検索してみてください)。同じようなことを2020年ごろから課題感として考えてきた身としましては、そろそろプロポーザルを出して話題にしてもいいタイミングかなと思える社会的な潮目を感じます。
エンジニアとビジネス。しかも越境。このテーマだけでも、いくつも問いが浮かんできます。
まず、ビジネスとはなんでしょうか。どんな印象があるでしょうか。嫌いだけど最低限付き合い続けなければならない隣人のようだとか、自分たちには理解できない原理で構成されている得体の知れない仕組みだとか、マネジメントとかそういう領分の話でしょうとか、なんか騙されてお金を取られそうだ(!?)とか、なにもわかっていないやつらのことだとか、そもそも自分には関係ないものだから知る必要なんかないとか……。
エンジニアチームに対比する存在として「ビジネス側」という言葉を使う会社もあります。ビジネス側と呼ばれるのはどんなひとでしょうか。エンジニアリングを理解せず、リファクタリングの時間なんかもったいないから時間があったら1行でもコードを書いてプロダクトをリリースせよと圧迫する利害関係者でしょうか。現場を知らないのに人事評価を下すマネージャーでしょうか。それとも、エンジニアがもたらすユーザー価値を理解し、パフォーマンスを最大限発揮するためにあらゆる手段を講じる協力者でしょうか。
また、なぜエンジニアがビジネスのことを知る必要があるのかという問いもありそうですね。逆に捉えて、エンジニアがビジネスのことを知らないことでどんな不都合があるでしょうか。他方で、エンジニアがビジネスを知らないことで得ている利益もあるかもしれませんね。それを言語化できるでしょうか。
そしてなにより、エンジニアがビジネスに越境することで何がうれしいのでしょうか。越境を経てどんな動き方・働き方が可能になり、どんな成果に結びつけられるようになるでしょうか。この問いがおそらくメインディッシュでしょう。
越境は決して簡単ではありません。境目が存在するのは、それなりの理由があってのことで、たやすく越えられるものではないはずです。それでも、どなたかが「ちょっと、越えてみようかな」と思ってもらえるようなお話ができたらと思います。
登壇者は10年以上の経験を持つエンジニアで、主要領域は品質保証(Quality Assurance)であり、アジャイル開発を含むいくつかの領域の知見を活用しています。2022年にMBA(いわゆる、経営学の専門職修士)を修得しました。本業ではスクラムチームのメンバーとして「最高のプロダクトづくりを導く」ための活動を行っているほか、副業で品質保証のエヴァンジェリストや記事の執筆・翻訳などに取り組んでいます。
本トークではMBAで学んだエッセンスや業務経験を織り混ぜながら、ビジネスへの越境というのがどんなものかを描き出してみたいと思います。
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Broken Window Theory in Software Engineering
45 Mins
Talk(Onsite / 現地で発表します)
Beginner
Let's talk about Quality.
Our QA team shows "Declaration of No More Broken Window" internally and works with scrum teams. Not in early stages of startups, to make great things in "agile", you need robust foundation. What is "robust"? As the one of the elements, Mark would like to talk about the Broken Windows Theory.
The Broken Window Theory is a well-known criminological theory which suggests that visible signs of disorder, such as broken windows or graffiti, can lead to an increase in crime. The theory is also utilized in some topics other than criminology, including software engineering.
According to the famous book, "The Pragmatic Programmer" (2000), Broken Window includes "bad designs, wrong decisions, or poor code", and we may expand more in relation to product quality. Out QA team defines this term very narrowly to make the issue clear. We, however, don't regard this concept as bug, because "bug-zero" is simply impossible.
Attendees will realize what have been discussed in this topic, especially in software development and find how Broken Window Theory works. Some people may start to consider how to use this concept to build a better quality culture and strategy.
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コーチング入門記〜あるいは初心者の足あと〜
20 Mins
Talk
Beginner
「コーチング」という言葉を界隈でよく目にするようになりました。「プロフェッショナルコーチ」「システムコーチ」「アジャイルコーチ」などの職種に就いている方もお見かけします。関心を持って調べてみると、様々な書籍やコーチングスクールや各種資格も見つけられるでしょう。
ところで以前のぼくは「コーチング」という言葉を聞いたことはあるけれど、どこか別世界の概念のように感じていました。マネージャーやチームリーダーが持つべき重要なスキルらしい……とは聞くけれど、それがマネージャーでもリーダーでもない身にどう役に立つのかが見えず、実はあまり関心を持てませんでした。コーチングを受けるなんて、まして、自分がそのナレッジを活かすなんて想像できないな、と。
このトークでは「コーチングってなんなの?」から独学で調べたぼくが、コーチングと普段どう接点を持つようになり、またスキル・ナレッジをどのように活かしているか(活かせていないか)をお伝えします。コーチングのプロに転身する気はなく、マネージャーやリーダーの職責を担ってもいない身でコーチングを独学して、さて、なにか得することはあるのでしょうか?
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品質文化試論と『LEADING QUALITY』
45 Mins
Talk
Advanced
For ScrumFest Sapporo 2022
本講演は2022年5月21日(土)に「スクラムフェス新潟」で初演されたものです。
「品質文化」というQA界隈で話題になっているトピックについて考察したものです。とても抽象的でシンドイ思考が必要であり、皆さんとも議論したいと思い、再演である(新作でない!)との謗りを承知でプロポーザルを提出します。
なぜ「品質文化」というものを考える必要があるのでしょうか? ぼくたちはエンジニアであり技術知識を深め経験を積むことは重要だと簡単にイメージできますが、さて、エンジニアリングと文化とが(それも「品質」文化とが!)どれほど関係があるというのでしょう?
ぼくが考えているのは、むしろエンジニアリングの世界は不可視の文化の土台の上で成り立っているのではないか、ということです。建物を建てるには地中に杭を打ったり礎石を据えたりしますが、そうした杭や礎石は目に見えません。
見えないなら見えないままで良い気もしますが、ビジネス環境の大きな変化が、土台に目を向けないことを許してくれなくなっているように感じます。自分たちがどのような文化の上に立っているのか、今こそ再発見・再定義する必要があるのではないでしょうか。そんな問題意識から「品質文化」の話を広めてみたいと思っています。
ぼくが「品質文化」について一生懸命考えていることが皆さんの目からどう見えているか、またより発展させていくためにはどうしたらいいか、一緒に考えてくださるとうれしいです。
以下、初演時の概要説明を記載します。
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『品質文化試論』というQiitaの記事を2021年12月に公開しました。JaSST東海'21に合わせて公開したわけですが、ありがたいことに、様々なコメントを界隈で貰うことができました。
コメントを眺めていると、一人ひとりの問題意識とか立ち位置(ポジション)によって『品質文化試論』の受け取られ方は異なっているのではないかと思うようになってきました。そこで今回は、改めてMark(ぼく)が何を考えてあの文章を書くに至ったのかをプレゼンしようと思います。
『品質文化試論』で語ったことは、端的に表現すれば「品質文化は組織戦略に逆らったものにはならない」でした。その結論に至るまで、大きく2つの議論をしています。
ひとつめは、縦の階層構造です。「品質文化は組織文化に従う(逆は難しい)」のではないかと提示しています。
もうひとつは、横並びの構造と捉えて「戦略と文化は組織の両輪」と考えました。
「品質文化」というものを真正面から考えるのはシンドイのでこういう手法を取ったわけですが、結果的には「品質戦略」という言葉を引き出すに至りました。魅惑的な言葉が増えてしまって、正直なところ頭を抱えています。ただ、こうした構造を表現したことで、特に「1人目のQAエンジニア」へのメッセージを発することになったかなと思っています。
さてさて、こういうちょっと変わった角度から「品質文化」を考えるに至った源泉はなんでしょうか。これも大きく2つあると思っています。
まずはMBA(経営学修士)で学んだ知識があります。特にヒト系科目と呼ばれる「人材マネジメント」や戦略系科目「経営戦略」あたりで学んだことがベースになっています。エンジニアでMBAに通う人はまだまだごく少なく、特にQAエンジニアでいえば、国内では会ったことがありません。その意味では、少々レアな経験を積んでいると思います。
もうひとつ、5年前から海外カンファレンスや洋書を通じた学びを続けており、現在は『LEADING QUALITY』という本を翻訳しています。この本はCレベルのエグゼクティブ(たとえばCEO)が品質を重要な経営課題と認識して取り組むことの価値と、いかに推進するか、その事例が書かれています。どちらかというと技術書っぽくない、経営陣向けの「ビジネス書」に近い感覚の独特な本ですが、品質エンジニア目線で経営陣をどう説得するかを学びたい方にもおすすめできる著作です(翻訳されたら買ってください、ぜひ)。
ところで、品質関係の書籍というとどんなものを想像するでしょうか。「品質とは何か」「品質をいかに測るか」を説明した書籍や規格類が、やはり多いかなとぼくは思います。その一方で「品質の大切さをいかに組織に広め、品質文化を醸成するか」を解説した信頼できる情報源は、ほぼ皆無だとも。「品質文化」という言葉はいかようにも解釈できる危険な言葉で、避ける人もいますが、それが危険なまま放置され続けてきたこともまた、注目に値するのではないでしょうか。人類の進化に火が多大な貢献をもたらしたことを考え合わせてもいいかもしれません(プロジェクトを炎上させたくないぼくたちに火の話題はタブーかもしれませんけど)。
国内では比較的レアな品質 x MBAというコラボレーション、そして『LEADING QUALITY』をはじめ、海外から学んだ知見があって『品質文化試論』につながっているのです。
そして『品質文化試論』は「試論」にすぎません。ぼくはこれを『品質文化論』に進化させたいと考えています。たぶん、数年かけて。
今回の登壇はその長い道のりの第2歩になるかもしれません。
参加者の皆さんとの対話の中で(決して保証はできませんが)広く共有できる「なにか」があればいいなと思っています。楽しいセッションにいたしましょう。長い旅路の第2歩目を、ぜひご一緒しませんか。
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品質文化試論と『LEADING QUALITY』
45 Mins
Talk
Advanced
For ScrumFest Mikawa 2022
本講演は2022年5月21日(土)に「スクラムフェス新潟」で初演されたものです。
「品質文化」というQA界隈で話題になっているトピックについて考察したものです。とても抽象的でシンドイ思考が必要であり、皆さんとも議論したいと思い、再演である(新作でない!)との謗りを承知でプロポーザルを提出します。
日本のGDPの20パーセントを占める製造業。その起こりは19世紀イギリスの産業革命ではないでしょうか。「第1次」という枕詞をつける人も、Industry 4.0(第4次産業革命)の文脈ではよく見かけます。その時代から働き方(というか、働かせ方)は大きく変わり、当時の人々の悪戦苦闘はフレデリック・テイラーが『科学的管理法』でまとめたものにいったん落ち着きました。
時は流れ、今ぼくたちが「品質」の話をするときに前提としている感覚・知見は、テイラーがまとめたものを礎石としています。もちろん有用であることは確かですが、その一方で、見直す必要がある部分もありそうだとぼくは考えます。その「見直す」という作業をどこからやるか? ぼくの提案は「品質文化」を改めて考えてみるのはどうか、です。
ぼくが「品質文化」について一生懸命考えていることが皆さんの目からどう見えているか、またより発展させていくためにはどうしたらいいか、一緒に考えてくださるとうれしいです。
以下、初演時の概要説明を記載します。
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『品質文化試論』というQiitaの記事を2021年12月に公開しました。JaSST東海'21に合わせて公開したわけですが、ありがたいことに、様々なコメントを界隈で貰うことができました。
コメントを眺めていると、一人ひとりの問題意識とか立ち位置(ポジション)によって『品質文化試論』の受け取られ方は異なっているのではないかと思うようになってきました。そこで今回は、改めてMark(ぼく)が何を考えてあの文章を書くに至ったのかをプレゼンしようと思います。
『品質文化試論』で語ったことは、端的に表現すれば「品質文化は組織戦略に逆らったものにはならない」でした。その結論に至るまで、大きく2つの議論をしています。
ひとつめは、縦の階層構造です。「品質文化は組織文化に従う(逆は難しい)」のではないかと提示しています。
もうひとつは、横並びの構造と捉えて「戦略と文化は組織の両輪」と考えました。
「品質文化」というものを真正面から考えるのはシンドイのでこういう手法を取ったわけですが、結果的には「品質戦略」という言葉を引き出すに至りました。魅惑的な言葉が増えてしまって、正直なところ頭を抱えています。ただ、こうした構造を表現したことで、特に「1人目のQAエンジニア」へのメッセージを発することになったかなと思っています。
さてさて、こういうちょっと変わった角度から「品質文化」を考えるに至った源泉はなんでしょうか。これも大きく2つあると思っています。
まずはMBA(経営学修士)で学んだ知識があります。特にヒト系科目と呼ばれる「人材マネジメント」や戦略系科目「経営戦略」あたりで学んだことがベースになっています。エンジニアでMBAに通う人はまだまだごく少なく、特にQAエンジニアでいえば、国内では会ったことがありません。その意味では、少々レアな経験を積んでいると思います。
もうひとつ、5年前から海外カンファレンスや洋書を通じた学びを続けており、現在は『LEADING QUALITY』という本を翻訳しています。この本はCレベルのエグゼクティブ(たとえばCEO)が品質を重要な経営課題と認識して取り組むことの価値と、いかに推進するか、その事例が書かれています。どちらかというと技術書っぽくない、経営陣向けの「ビジネス書」に近い感覚の独特な本ですが、品質エンジニア目線で経営陣をどう説得するかを学びたい方にもおすすめできる著作です(翻訳されたら買ってください、ぜひ)。
ところで、品質関係の書籍というとどんなものを想像するでしょうか。「品質とは何か」「品質をいかに測るか」を説明した書籍や規格類が、やはり多いかなとぼくは思います。その一方で「品質の大切さをいかに組織に広め、品質文化を醸成するか」を解説した信頼できる情報源は、ほぼ皆無だとも。「品質文化」という言葉はいかようにも解釈できる危険な言葉で、避ける人もいますが、それが危険なまま放置され続けてきたこともまた、注目に値するのではないでしょうか。人類の進化に火が多大な貢献をもたらしたことを考え合わせてもいいかもしれません(プロジェクトを炎上させたくないぼくたちに火の話題はタブーかもしれませんけど)。
国内では比較的レアな品質 x MBAというコラボレーション、そして『LEADING QUALITY』をはじめ、海外から学んだ知見があって『品質文化試論』につながっているのです。
そして『品質文化試論』は「試論」にすぎません。ぼくはこれを『品質文化論』に進化させたいと考えています。たぶん、数年かけて。
今回の登壇はその長い道のりの第2歩になるかもしれません。
参加者の皆さんとの対話の中で(決して保証はできませんが)広く共有できる「なにか」があればいいなと思っています。楽しいセッションにいたしましょう。長い旅路の第2歩目を、ぜひご一緒しませんか。
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品質文化試論と『LEADING QUALITY』
45 Mins
Talk
Advanced
For XP祭り2022
本講演は2022年5月21日(土)に「スクラムフェス新潟」で初演されたものです。
「品質文化」というQA界隈で話題になっているトピックについて考察したものです。とても抽象的でシンドイ思考が必要であり、皆さんとも議論したいと思い、再演である(新作でない!)との謗りを承知でプロポーザルを提出します。
Kent Beckほか(2015)『エクストリームプログラミング』(オーム社)には、XPの原則のひとつに「品質」がうたわれています。XP実践者の皆さんの考え方にはすでに「品質」が根付いているということだと推察します。また、なんとなくですが一般的に日本で・日本語で考えられている「品質」と、XPで原則とされる「品質」の間には、意味に差があるかもしれない……という気もしています。
ぼくが「品質文化」について一生懸命考えていることが、XP実践者の皆さんの目からどう見えているか、またより発展させていくためにはどうしたらいいか、一緒に考えてくださるとうれしいです。
以下、初演時の概要説明を記載します。
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『品質文化試論』というQiitaの記事を2021年12月に公開しました。JaSST東海'21に合わせて公開したわけですが、ありがたいことに、様々なコメントを界隈で貰うことができました。
コメントを眺めていると、一人ひとりの問題意識とか立ち位置(ポジション)によって『品質文化試論』の受け取られ方は異なっているのではないかと思うようになってきました。そこで今回は、改めてMark(ぼく)が何を考えてあの文章を書くに至ったのかをプレゼンしようと思います。
『品質文化試論』で語ったことは、端的に表現すれば「品質文化は組織戦略に逆らったものにはならない」でした。その結論に至るまで、大きく2つの議論をしています。
ひとつめは、縦の階層構造です。「品質文化は組織文化に従う(逆は難しい)」のではないかと提示しています。
もうひとつは、横並びの構造と捉えて「戦略と文化は組織の両輪」と考えました。
「品質文化」というものを真正面から考えるのはシンドイのでこういう手法を取ったわけですが、結果的には「品質戦略」という言葉を引き出すに至りました。魅惑的な言葉が増えてしまって、正直なところ頭を抱えています。ただ、こうした構造を表現したことで、特に「1人目のQAエンジニア」へのメッセージを発することになったかなと思っています。
さてさて、こういうちょっと変わった角度から「品質文化」を考えるに至った源泉はなんでしょうか。これも大きく2つあると思っています。
まずはMBA(経営学修士)で学んだ知識があります。特にヒト系科目と呼ばれる「人材マネジメント」や戦略系科目「経営戦略」あたりで学んだことがベースになっています。エンジニアでMBAに通う人はまだまだごく少なく、特にQAエンジニアでいえば、国内では会ったことがありません。その意味では、少々レアな経験を積んでいると思います。
もうひとつ、5年前から海外カンファレンスや洋書を通じた学びを続けており、現在は『LEADING QUALITY』という本を翻訳しています。この本はCレベルのエグゼクティブ(たとえばCEO)が品質を重要な経営課題と認識して取り組むことの価値と、いかに推進するか、その事例が書かれています。どちらかというと技術書っぽくない、経営陣向けの「ビジネス書」に近い感覚の独特な本ですが、品質エンジニア目線で経営陣をどう説得するかを学びたい方にもおすすめできる著作です(翻訳されたら買ってください、ぜひ)。
ところで、品質関係の書籍というとどんなものを想像するでしょうか。「品質とは何か」「品質をいかに測るか」を説明した書籍や規格類が、やはり多いかなとぼくは思います。その一方で「品質の大切さをいかに組織に広め、品質文化を醸成するか」を解説した信頼できる情報源は、ほぼ皆無だとも。「品質文化」という言葉はいかようにも解釈できる危険な言葉で、避ける人もいますが、それが危険なまま放置され続けてきたこともまた、注目に値するのではないでしょうか。人類の進化に火が多大な貢献をもたらしたことを考え合わせてもいいかもしれません(プロジェクトを炎上させたくないぼくたちに火の話題はタブーかもしれませんけど)。
国内では比較的レアな品質 x MBAというコラボレーション、そして『LEADING QUALITY』をはじめ、海外から学んだ知見があって『品質文化試論』につながっているのです。
そして『品質文化試論』は「試論」にすぎません。ぼくはこれを『品質文化論』に進化させたいと考えています。たぶん、数年かけて。
今回の登壇はその長い道のりの第2歩になるかもしれません。
参加者の皆さんとの対話の中で(決して保証はできませんが)広く共有できる「なにか」があればいいなと思っています。楽しいセッションにいたしましょう。長い旅路の第2歩目を、ぜひご一緒しませんか。
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Quality in Scrum
45 Mins
Talk
Intermediate
スクラムに限らず、日本のアジャイル開発において、品質というのはどうも目の上のタンコブのように扱われます。あるいは、ちょっと文脈に添わないもののように考えている人もいるかもしれません。多くのチームでベロシティーを下げるものとか、チーム外のQAエンジニアにテストを依頼しなければならないとか、なんかいろいろ言われて「必要悪」みたいになっている気がします。
一方で、Modern Testing(モダンテスティング)という考え方があり、そこでは「テストはチームに還る」と謳われていたりします。テストだけ外の人にお願いするのではなく、チームでちゃんと完結させようよ、そのための知見をQAエンジニアからインストールしようよ、という話です。開発に関するあらゆる活動をスクラムチーム内で完結させたいなら、これは妥当な発想だと思います。今後広まっていく考え方でもあると思います。
まぁ、従来型のシーケンシャル開発(ウォーターフォールなど)で飯を食っているQAエンジニアにとっては、ある意味で自分たちの手の内を明かすことになるので「そんなのとんでもない!」と言うかもしれません。そして「できるものならやってみろ」とも。
スクラムがソフトウェア品質を扱えるようにする。この考え方は(主流派による)逆風にさらされているわけですが、その分、議論や工夫のしがいもあるでしょう。最近提唱し始めたQC2QCという考え方などを織り交ぜながら、どうしたらスクラムの扱う課題として品質を取り込み、プロダクトの進化につなげられるか、ぼくなりのアイデアをお話しします。日々プロダクト開発に携わっている皆さんとの議論の中で、実地で品質を扱い高い成果を挙げるヒントを見出すことができればと思います。
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かたって品質文化! 〜 Markin' Quality 第9回:懇親会ジャック・1 〜
Mark WardQA BrainMarkin' QualityYoya KobayashiQA EngineerMoney Forward, Inc.ゆうすけ おおひらtesterテストの街「葛飾」schedule 1 year ago
Sold Out!45 Mins
Workshop
Beginner
スクフェスの魅力ってなんでしょう? それはたぶん、現地・オンラインに集まった人がとにかく楽しくワイワイできることではないでしょうか?
そんなイベントを盛り上げるために、あえてDay 1で行いたいWorkshopとして提案します。しかも "Markin’ Quality 第9回" として。
スクフェス新潟に集まる人は、きっと多種多様だろうと思います。職種こそエンジニアが多い気はしますが、業界も仕事のやり方も性格も千差万別でしょう。そこで相互理解を初日に深めるために、アジャイルテストをテーマに掲げるスクフェス新潟だからこそ「品質」をベースにした懇親会をやってみませんか?
スクフェス新潟というイベントが 通常の3倍楽しく、和気藹々となる こと、まちがいなし!!
分類はアジャイルリーダーシップです。懇親会をワークショップにするという無茶なリーダーシップ(Leader Ship)という、わたしたちにとっても実は初めてのチャレンジです。たぶん、いろいろな対話を通じて、参加者の「スクフェス新潟」に対する解像度がグッとあがると思います。
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品質文化試論と『LEADING QUALITY』
45 Mins
Talk
Intermediate
『品質文化試論』というQiitaの記事を2021年12月に公開しました。JaSST東海'21に合わせて公開したわけですが、ありがたいことに、様々なコメントを界隈で貰うことができました。
コメントを眺めていると、一人ひとりの問題意識とか立ち位置(ポジション)によって『品質文化試論』の受け取られ方は異なっているのではないかと思うようになってきました。そこで今回は、改めてMark(ぼく)が何を考えてあの文章を書くに至ったのかをプレゼンしようと思います。
『品質文化試論』で語ったことは、端的に表現すれば「品質文化は組織戦略に逆らったものにはならない」でした。その結論に至るまで、大きく2つの議論をしています。
ひとつめは、縦の階層構造です。「品質文化は組織文化に従う(逆は難しい)」のではないかと提示しています。
もうひとつは、横並びの構造と捉えて「戦略と文化は組織の両輪」と考えました。
「品質文化」というものを真正面から考えるのはシンドイのでこういう手法を取ったわけですが、結果的には「品質戦略」という言葉を引き出すに至りました。魅惑的な言葉が増えてしまって、正直なところ頭を抱えています。ただ、こうした構造を表現したことで、特に「1人目のQAエンジニア」へのメッセージを発することになったかなと思っています。
さてさて、こういうちょっと変わった角度から「品質文化」を考えるに至った源泉はなんでしょうか。これも大きく2つあると思っています。
まずはMBA(経営学修士)で学んだ知識があります。特にヒト系科目と呼ばれる「人材マネジメント」や戦略系科目「経営戦略」あたりで学んだことがベースになっています。エンジニアでMBAに通う人はまだまだごく少なく、特にQAエンジニアでいえば、国内では会ったことがありません。その意味では、少々レアな経験を積んでいると思います。
もうひとつ、5年前から海外カンファレンスや洋書を通じた学びを続けており、現在は『LEADING QUALITY』という本を翻訳しています。この本はCレベルのエグゼクティブ(たとえばCEO)が品質を重要な経営課題と認識して取り組むことの価値と、いかに推進するか、その事例が書かれています。どちらかというと技術書っぽくない、経営陣向けの「ビジネス書」に近い感覚の独特な本ですが、品質エンジニア目線で経営陣をどう説得するかを学びたい方にもおすすめできる著作です(翻訳されたら買ってください、ぜひ)。
ところで、品質関係の書籍というとどんなものを想像するでしょうか。「品質とは何か」「品質をいかに測るか」を説明した書籍や規格類が、やはり多いかなとぼくは思います。その一方で「品質の大切さをいかに組織に広め、品質文化を醸成するか」を解説した信頼できる情報源は、ほぼ皆無だとも。「品質文化」という言葉はいかようにも解釈できる危険な言葉で、避ける人もいますが、それが危険なまま放置され続けてきたこともまた、注目に値するのではないでしょうか。人類の進化に火が多大な貢献をもたらしたことを考え合わせてもいいかもしれません(プロジェクトを炎上させたくないぼくたちに火の話題はタブーかもしれませんけど)。
国内では比較的レアな品質 x MBAというコラボレーション、そして『LEADING QUALITY』をはじめ、海外から学んだ知見があって『品質文化試論』につながっているのです。
そして『品質文化試論』は「試論」にすぎません。ぼくはこれを『品質文化論』に進化させたいと考えています。たぶん、数年かけて。
今回の登壇はその長い道のりの第2歩になるかもしれません。
参加者の皆さんとの対話の中で(決して保証はできませんが)広く共有できる「なにか」があればいいなと思っています。楽しいセッションにいたしましょう。長い旅路の第2歩目を、ぜひご一緒しませんか。
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場内ラジオ企画「葛飾AM(仮)」
45 Mins
Talk
Beginner
RSGTは10回を超える歴史を持ち、昨年からはコロナ禍の影響もあり、ハイブリッド形式で実施されている日本最大のスクラムギャザリングです。ハイブリッド形式は、会場でもオンラインでも楽しめますが、そのつながりをより強固にするために、場内ラジオをやりたいと思います。
海外カンファレンスでよくあるのが、この場内ラジオです。これは、時間帯によってはセッションに参加するのではなくブレイクルームでコーヒーを飲んで休憩していたり、談笑している参加者に向けて場内で放送するものです。セッションを終えたばかりの登壇者を呼んで追加で議論をしたり、国際色豊かな参加者の中からゲストを呼んでみたりと、なかなかバラエティーに富んだ内容です。場内に常にラジオが流れているのは、とてもお祭りの雰囲気が出ます。
これを、RSGT2022でもやってみたい、と思っています。実施時間帯・トークテーマなどは未定ですが、基本的には現地で配信し、音声をDiscordに載せようと考えています。マイクの前に座るのは、私Markをはじめとした「テストの街「葛飾」」の面々を想定していますが、それだけでなく、飛び入りのゲストをお迎えして、セッション内容の深堀りやリアルな現場の声、エンジニアお悩み相談などを企画できたら、楽しいのではないでしょうか?
現地とオンラインをさらに強固にし、一体感を強める企画として、この場内ラジオ企画の採択可否検討を、よろしくお願いします。
Theme/Topic/Category:フリートーク・セッション紹介など
Presentation Type:Radio
Duration:検討中(セッション間なら15分ずつ、昼休みなら1時間半、など)
Level:Beginner
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QAとスクラム:1年間の足あと
20 Mins
Talk
Intermediate
大型リリースのために駆けているスクラムチームに、1年間にわたってQAエンジニアが伴走したことで、スクラムチームに何が起こったかをお話ししたい。
スクラムチームにQAエンジニアが関わる方法として、2つ考えられる。ひとつは、スクラムチームのメンバー(おそらく開発者)としてQAエンジニアが参画すること。もうひとつが、スクラムチームの外から支援することです。2021年のRSGTやScrumFestでは、後者の場合にどんな参画方法があり、実際にどうなったかをお話しし、参加者一人ひとりが、ご自身の職場ではどちらのスタイルがよいかを考えてくださるよう、投げかけた。幸い、ご好評をいただき、繰り返し登壇の機会に恵まれた(今回もプロポーザルを出している)。
今回は時間は短く、しかしケースの規模を大きくして、大型リリースを迎えるまでの1年以上QAエンジニアが伴走し続けたスクラムが、実際にどう変わったか(あるいは、変わらなかったか)、そしてQAエンジニアは何を成し遂げたか(あるいは、何を心残りとしたのか)に焦点を当ててみたい。中・長期目線でスクラムに関わることで、綺麗事・理想論ではなく、実地でどんな効果が得られたかを臨場感を持ってお伝えできればと考える。スクラム実践者はもとより、スクラムとの関わりを通じてどんなバリューが発揮できるかイメージしにくいと感じるQAエンジニアの参考にもなる登壇にしたい。
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独立QAチーム1年戦記:スクラムの外からチームと組織の品質を創る道 / An Independent QA Team's 1 Year's War: Way to Create Quality of the Teams and the Organization from the Outside of Scrum
45 Mins
Talk
Intermediate
English follows:
「Scrum@Scale(S@S)を取り入れた100名ほどの開発組織で、スクラムに入らない独立したQAチームが活躍している」と聞いたら、もしかしたら奇異な感じを受けるかもしれない。スクラムではチームであらゆることが完結することを理想とするため、当然テスター(QAエンジニア・テストエンジニア ・などなど)もスクラムチームに入るべき、と考える方がスクラム実践者にとっては自然だからである。あえて、その自然に逆らって、私たちQAチームは独自のビジョンを掲げた「ビジョナリー・QA(Visionary QA)」として、独立した立場から品質向上という成果を上げようと奮闘している。このトークではそんな私たちQAチームの1年戦記をありのままに扱いたい。
開発プロセスの高速化が進み、多くの企業でアジャイル開発が取り入れられ、過去の当たり前が当たり前でなくなっている中で、QA界隈ではどうやって価値を提供するか頭を悩ませている。あくまでもテストにこだわる者もいれば、スクラムマスター・プロダクトオーナーの視野を得るべく資格を目指す者もいる。2009年に翻訳出版されたリサとジャネットによる『実践アジャイルテスト(Agile Testing)』(翔泳社)は国内のテスターに広く読まれているが、最近版元品切になっていることもあり、手に入りにくくなっている。さて、テスターは異質な存在のひとつとして見なされている。ご存知の通り、スクラムガイドにはテストやQA活動をどのように行うべきか、言及されていない。3つのロールに「テスター」の文字は無い。よって、テスターのあり方はそれぞれの組織で模索するしかなく、特にテスターをスクラムチームに含めるべきか否かという議論は継続的に行われている。先にもあげたように、スクラム実践者にとってはテスターがスクラムチームに入ることは自然であると感じられ、実際そのようにしている組織が多いが、それぞれにメリット・デメリットがあることから、あらゆる組織で通じる答えは今のところ無さそうだ(テスターとして仕事をしてきたメンバーがスクラムチームの開発者の一員としてどれだけクロスファンクショナルに動けるか、という点が特にネックなように思える)。
このトークは、独立した立場で動くことを選んだQAチームの話だ。スクラムチームにテスターを迎え入れねばならないと思っている方にはそうでない可能性を示す一方で、やはりスクラムチームに開発者としてテスターを加えるべきだと結論づけるオーディエンスもいらっしゃるかもしれない。スクラムチームとテスターの一筋縄ではいかない関係を、1年間の実例をもとに、一緒に考えようではないか。
"In a 100-strong software development organization which runs Scrum@Scale, an independent QA team works well." ––it may sound strange to you. Ideally, in Scrum, everything should be done in one scrum team, so it is natural for Scrum practitioners that testers (QA engineers, test engineers, etc.) should join a scrum team. Daring to go an unnatural way, our QA team struggles to achieve quality improvement results from an independent standpoint as "Visionary QA" with its vision. I want to treat our QA team's year-long battle story as it is in this talk.
Development processes are getting faster and faster. Many companies are incorporating agile development. The commonplace of the past is no longer the norm. In this fast-changing age, the QA industry is struggling to figure out how to deliver value. Some testers are more concerned with testing, while others aim for the certification to learn a Scrum Master/Product Owner's perspective. The excellent book, "Agile Testing" by Lisa Crispin and Janet Gregory (Addison-Wesley), which was translated in Japan in 2009 by the domestic publisher Shoeisha, has been widely read by testers in our country. Recently, however, it isn't easy to get due to out of print.
Testers tend to be seen as one of the heterogeneous entities. As you know, there is no mention in the Scrum Guide on how testing and QA activities should be done. There is no "Tester" in the three roles of Scrum. Therefore, each organization has no choice but to explore the nature of testers. In particular, there is an ongoing debate on whether or not testers should be included in Scrum. As mentioned earlier, it seems natural for Scrum practitioners to have testers join Scrum, and indeed many organizations are doing so. Still, since each has its advantages and disadvantages, it seems that we don't have an answer that works for all organizations at the moment. One of the problematic points appears to be how well testers can work cross-functionally as a "Developer" in Scrum.
With this session, which is about a QA team that chose to work independently, some attendees who feel testers should join a Scrum team may get a chance to notice the other possibility, and others may conclude that Scrum teams should still include testers. Let's take a look at the tricky relationship between Scrum and testers with the help of a year's worth of examples. -
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独立QAチーム1年戦記:スクラムの外からチームと組織の品質を創る道 / An Independent QA Team's 1 Year's War: Way to Create Quality of the Teams and the Organization from the Outside of Scrum
45 Mins
Talk
Intermediate
English follows:
「Scrum@Scale(S@S)を取り入れた100名ほどの開発組織で、スクラムに入らない独立したQAチームが活躍している」と聞いたら、もしかしたら奇異な感じを受けるかもしれない。スクラムではチームであらゆることが完結することを理想とするため、当然テスター(QAエンジニア・テストエンジニア ・などなど)もスクラムチームに入るべき、と考える方がスクラム実践者にとっては自然だからである。あえて、その自然に逆らって、私たちQAチームは独自のビジョンを掲げた「ビジョナリー・QA(Visionary QA)」として、独立した立場から品質向上という成果を上げようと奮闘している。このトークではそんな私たちQAチームの1年戦記をありのままに扱いたい。
開発プロセスの高速化が進み、多くの企業でアジャイル開発が取り入れられ、過去の当たり前が当たり前でなくなっている中で、QA界隈ではどうやって価値を提供するか頭を悩ませている。あくまでもテストにこだわる者もいれば、スクラムマスター・プロダクトオーナーの視野を得るべく資格を目指す者もいる。2009年に翻訳出版されたリサとジャネットによる『実践アジャイルテスト(Agile Testing)』(翔泳社)は国内のテスターに広く読まれているが、最近版元品切になっていることもあり、手に入りにくくなっている。さて、テスターは異質な存在のひとつとして見なされている。ご存知の通り、スクラムガイドにはテストやQA活動をどのように行うべきか、言及されていない。3つのロールに「テスター」の文字は無い。よって、テスターのあり方はそれぞれの組織で模索するしかなく、特にテスターをスクラムチームに含めるべきか否かという議論は継続的に行われている。先にもあげたように、スクラム実践者にとってはテスターがスクラムチームに入ることは自然であると感じられ、実際そのようにしている組織が多いが、それぞれにメリット・デメリットがあることから、あらゆる組織で通じる答えは今のところ無さそうだ(テスターとして仕事をしてきたメンバーがスクラムチームの開発者の一員としてどれだけクロスファンクショナルに動けるか、という点が特にネックなように思える)。
このトークは、独立した立場で動くことを選んだQAチームの話だ。スクラムチームにテスターを迎え入れねばならないと思っている方にはそうでない可能性を示す一方で、やはりスクラムチームに開発者としてテスターを加えるべきだと結論づけるオーディエンスもいらっしゃるかもしれない。スクラムチームとテスターの一筋縄ではいかない関係を、1年間の実例をもとに、一緒に考えようではないか。
"In a 100-strong software development organization which runs Scrum@Scale, an independent QA team works well." ––it may sound strange to you. Ideally, in Scrum, everything should be done in one scrum team, so it is natural for Scrum practitioners that testers (QA engineers, test engineers, etc.) should join a scrum team. Daring to go an unnatural way, our QA team struggles to achieve quality improvement results from an independent standpoint as "Visionary QA" with its vision. I want to treat our QA team's year-long battle story as it is in this talk.
Development processes are getting faster and faster. Many companies are incorporating agile development. The commonplace of the past is no longer the norm. In this fast-changing age, the QA industry is struggling to figure out how to deliver value. Some testers are more concerned with testing, while others aim for the certification to learn a Scrum Master/Product Owner's perspective. The excellent book, "Agile Testing" by Lisa Crispin and Janet Gregory (Addison-Wesley), which was translated in Japan in 2009 by the domestic publisher Shoeisha, has been widely read by testers in our country. Recently, however, it isn't easy to get due to out of print.
Testers tend to be seen as one of the heterogeneous entities. As you know, there is no mention in the Scrum Guide on how testing and QA activities should be done. There is no "Tester" in the three roles of Scrum. Therefore, each organization has no choice but to explore the nature of testers. In particular, there is an ongoing debate on whether or not testers should be included in Scrum. As mentioned earlier, it seems natural for Scrum practitioners to have testers join Scrum, and indeed many organizations are doing so. Still, since each has its advantages and disadvantages, it seems that we don't have an answer that works for all organizations at the moment. One of the problematic points appears to be how well testers can work cross-functionally as a "Developer" in Scrum.
With this session, which is about a QA team that chose to work independently, some attendees who feel testers should join a Scrum team may get a chance to notice the other possibility, and others may conclude that Scrum teams should still include testers. Let's take a look at the tricky relationship between Scrum and testers with the help of a year's worth of examples. -
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独立QAチーム1年戦記:スクラムの外からチームと組織の品質を創る道 / An Independent QA Team's 1 Year's War: Way to Create Quality of the Teams and the Organization from the Outside of Scrum
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「Scrum@Scale(S@S)を取り入れた100名ほどの開発組織で、スクラムに入らない独立したQAチームが活躍している」と聞いたら、もしかしたら奇異な感じを受けるかもしれない。スクラムではチームであらゆることが完結することを理想とするため、当然テスター(QAエンジニア・テストエンジニア ・などなど)もスクラムチームに入るべき、と考える方がスクラム実践者にとっては自然だからである。あえて、その自然に逆らって、私たちQAチームは独自のビジョンを掲げた「ビジョナリー・QA(Visionary QA)」として、独立した立場から品質向上という成果を上げようと奮闘している。このトークではそんな私たちQAチームの1年戦記をありのままに扱いたい。
開発プロセスの高速化が進み、多くの企業でアジャイル開発が取り入れられ、過去の当たり前が当たり前でなくなっている中で、QA界隈ではどうやって価値を提供するか頭を悩ませている。あくまでもテストにこだわる者もいれば、スクラムマスター・プロダクトオーナーの視野を得るべく資格を目指す者もいる。2009年に翻訳出版されたリサとジャネットによる『実践アジャイルテスト(Agile Testing)』(翔泳社)は国内のテスターに広く読まれているが、最近版元品切になっていることもあり、手に入りにくくなっている。さて、テスターは異質な存在のひとつとして見なされている。ご存知の通り、スクラムガイドにはテストやQA活動をどのように行うべきか、言及されていない。3つのロールに「テスター」の文字は無い。よって、テスターのあり方はそれぞれの組織で模索するしかなく、特にテスターをスクラムチームに含めるべきか否かという議論は継続的に行われている。先にもあげたように、スクラム実践者にとってはテスターがスクラムチームに入ることは自然であると感じられ、実際そのようにしている組織が多いが、それぞれにメリット・デメリットがあることから、あらゆる組織で通じる答えは今のところ無さそうだ(テスターとして仕事をしてきたメンバーがスクラムチームの開発者の一員としてどれだけクロスファンクショナルに動けるか、という点が特にネックなように思える)。
このトークは、独立した立場で動くことを選んだQAチームの話だ。スクラムチームにテスターを迎え入れねばならないと思っている方にはそうでない可能性を示す一方で、やはりスクラムチームに開発者としてテスターを加えるべきだと結論づけるオーディエンスもいらっしゃるかもしれない。スクラムチームとテスターの一筋縄ではいかない関係を、1年間の実例をもとに、一緒に考えようではないか。
"In a 100-strong software development organization which runs Scrum@Scale, an independent QA team works well." ––it may sound strange to you. Ideally, in Scrum, everything should be done in one scrum team, so it is natural for Scrum practitioners that testers (QA engineers, test engineers, etc.) should join a scrum team. Daring to go an unnatural way, our QA team struggles to achieve quality improvement results from an independent standpoint as "Visionary QA" with its vision. I want to treat our QA team's year-long battle story as it is in this talk.
Development processes are getting faster and faster. Many companies are incorporating agile development. The commonplace of the past is no longer the norm. In this fast-changing age, the QA industry is struggling to figure out how to deliver value. Some testers are more concerned with testing, while others aim for the certification to learn a Scrum Master/Product Owner's perspective. The excellent book, "Agile Testing" by Lisa Crispin and Janet Gregory (Addison-Wesley), which was translated in Japan in 2009 by the domestic publisher Shoeisha, has been widely read by testers in our country. Recently, however, it isn't easy to get due to out of print.
Testers tend to be seen as one of the heterogeneous entities. As you know, there is no mention in the Scrum Guide on how testing and QA activities should be done. There is no "Tester" in the three roles of Scrum. Therefore, each organization has no choice but to explore the nature of testers. In particular, there is an ongoing debate on whether or not testers should be included in Scrum. As mentioned earlier, it seems natural for Scrum practitioners to have testers join Scrum, and indeed many organizations are doing so. Still, since each has its advantages and disadvantages, it seems that we don't have an answer that works for all organizations at the moment. One of the problematic points appears to be how well testers can work cross-functionally as a "Developer" in Scrum.
With this session, which is about a QA team that chose to work independently, some attendees who feel testers should join a Scrum team may get a chance to notice the other possibility, and others may conclude that Scrum teams should still include testers. Let's take a look at the tricky relationship between Scrum and testers with the help of a year's worth of examples. -
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独立QAチーム1年戦記:スクラムの外からチームと組織の品質を創る道 / An Independent QA Team's 1 Year's War: Way to Create Quality of the Teams and the Organization from the Outside of Scrum
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English follows:
「Scrum@Scale(S@S)を取り入れた100名ほどの開発組織で、スクラムに入らない独立したQAチームが活躍している」と聞いたら、もしかしたら奇異な感じを受けるかもしれない。スクラムではチームであらゆることが完結することを理想とするため、当然テスター(QAエンジニア・テストエンジニア ・などなど)もスクラムチームに入るべき、と考える方がスクラム実践者にとっては自然だからである。あえて、その自然に逆らって、私たちQAチームは独自のビジョンを掲げた「ビジョナリー・QA(Visionary QA)」として、独立した立場から品質向上という成果を上げようと奮闘している。このトークではそんな私たちQAチームの1年戦記をありのままに扱いたい。
開発プロセスの高速化が進み、多くの企業でアジャイル開発が取り入れられ、過去の当たり前が当たり前でなくなっている中で、QA界隈ではどうやって価値を提供するか頭を悩ませている。あくまでもテストにこだわる者もいれば、スクラムマスター・プロダクトオーナーの視野を得るべく資格を目指す者もいる。2009年に翻訳出版されたリサとジャネットによる『実践アジャイルテスト(Agile Testing)』(翔泳社)は国内のテスターに広く読まれているが、最近版元品切になっていることもあり、手に入りにくくなっている。さて、テスターは異質な存在のひとつとして見なされている。ご存知の通り、スクラムガイドにはテストやQA活動をどのように行うべきか、言及されていない。3つのロールに「テスター」の文字は無い。よって、テスターのあり方はそれぞれの組織で模索するしかなく、特にテスターをスクラムチームに含めるべきか否かという議論は継続的に行われている。先にもあげたように、スクラム実践者にとってはテスターがスクラムチームに入ることは自然であると感じられ、実際そのようにしている組織が多いが、それぞれにメリット・デメリットがあることから、あらゆる組織で通じる答えは今のところ無さそうだ(テスターとして仕事をしてきたメンバーがスクラムチームの開発者の一員としてどれだけクロスファンクショナルに動けるか、という点が特にネックなように思える)。
このトークは、独立した立場で動くことを選んだQAチームの話だ。スクラムチームにテスターを迎え入れねばならないと思っている方にはそうでない可能性を示す一方で、やはりスクラムチームに開発者としてテスターを加えるべきだと結論づけるオーディエンスもいらっしゃるかもしれない。スクラムチームとテスターの一筋縄ではいかない関係を、1年間の実例をもとに、一緒に考えようではないか。
"In a 100-strong software development organization which runs Scrum@Scale, an independent QA team works well." ––it may sound strange to you. Ideally, in Scrum, everything should be done in one scrum team, so it is natural for Scrum practitioners that testers (QA engineers, test engineers, etc.) should join a scrum team. Daring to go an unnatural way, our QA team struggles to achieve quality improvement results from an independent standpoint as "Visionary QA" with its vision. I want to treat our QA team's year-long battle story as it is in this talk.
Development processes are getting faster and faster. Many companies are incorporating agile development. The commonplace of the past is no longer the norm. In this fast-changing age, the QA industry is struggling to figure out how to deliver value. Some testers are more concerned with testing, while others aim for the certification to learn a Scrum Master/Product Owner's perspective. The excellent book, "Agile Testing" by Lisa Crispin and Janet Gregory (Addison-Wesley), which was translated in Japan in 2009 by the domestic publisher Shoeisha, has been widely read by testers in our country. Recently, however, it isn't easy to get due to out of print.
Testers tend to be seen as one of the heterogeneous entities. As you know, there is no mention in the Scrum Guide on how testing and QA activities should be done. There is no "Tester" in the three roles of Scrum. Therefore, each organization has no choice but to explore the nature of testers. In particular, there is an ongoing debate on whether or not testers should be included in Scrum. As mentioned earlier, it seems natural for Scrum practitioners to have testers join Scrum, and indeed many organizations are doing so. Still, since each has its advantages and disadvantages, it seems that we don't have an answer that works for all organizations at the moment. One of the problematic points appears to be how well testers can work cross-functionally as a "Developer" in Scrum.
With this session, which is about a QA team that chose to work independently, some attendees who feel testers should join a Scrum team may get a chance to notice the other possibility, and others may conclude that Scrum teams should still include testers. Let's take a look at the tricky relationship between Scrum and testers with the help of a year's worth of examples. -
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[Online Interpretation] 独立QAチーム1年戦記:スクラムの外からチームと組織の品質を創る道 / An Independent QA Team's 1 Year's War: Way to Create Quality of the Teams and the Organization from the Outside of Scrum
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English follows:
「Scrum@Scale(S@S)を取り入れた100名ほどの開発組織で、スクラムに入らない独立したQAチームが活躍している」と聞いたら、もしかしたら奇異な感じを受けるかもしれない。スクラムではチームであらゆることが完結することを理想とするため、当然テスター(QAエンジニア・テストエンジニア ・などなど)もスクラムチームに入るべき、と考える方がスクラム実践者にとっては自然だからである。あえて、その自然に逆らって、私たちQAチームは独自のビジョンを掲げた「ビジョナリー・QA(Visionary QA)」として、独立した立場から品質向上という成果を上げようと奮闘している。このトークではそんな私たちQAチームの1年戦記をありのままに扱いたい。
開発プロセスの高速化が進み、多くの企業でアジャイル開発が取り入れられ、過去の当たり前が当たり前でなくなっている中で、QA界隈ではどうやって価値を提供するか頭を悩ませている。あくまでもテストにこだわる者もいれば、スクラムマスター・プロダクトオーナーの視野を得るべく資格を目指す者もいる。2009年に翻訳出版されたリサとジャネットによる『実践アジャイルテスト(Agile Testing)』(翔泳社)は国内のテスターに広く読まれているが、最近版元品切になっていることもあり、手に入りにくくなっている。さて、テスターは異質な存在のひとつとして見なされている。ご存知の通り、スクラムガイドにはテストやQA活動をどのように行うべきか、言及されていない。3つのロールに「テスター」の文字は無い。よって、テスターのあり方はそれぞれの組織で模索するしかなく、特にテスターをスクラムチームに含めるべきか否かという議論は継続的に行われている。先にもあげたように、スクラム実践者にとってはテスターがスクラムチームに入ることは自然であると感じられ、実際そのようにしている組織が多いが、それぞれにメリット・デメリットがあることから、あらゆる組織で通じる答えは今のところ無さそうだ(テスターとして仕事をしてきたメンバーがスクラムチームの開発者の一員としてどれだけクロスファンクショナルに動けるか、という点が特にネックなように思える)。
このトークは、独立した立場で動くことを選んだQAチームの話だ。スクラムチームにテスターを迎え入れねばならないと思っている方にはそうでない可能性を示す一方で、やはりスクラムチームに開発者としてテスターを加えるべきだと結論づけるオーディエンスもいらっしゃるかもしれない。スクラムチームとテスターの一筋縄ではいかない関係を、1年間の実例をもとに、一緒に考えようではないか。
"In a 100-strong software development organization which runs Scrum@Scale, an independent QA team works well." ––it may sound strange to you. Ideally, in Scrum, everything should be done in one scrum team, so it is natural for Scrum practitioners that testers (QA engineers, test engineers, etc.) should join a scrum team. Daring to go an unnatural way, our QA team struggles to achieve quality improvement results from an independent standpoint as "Visionary QA" with its vision. I want to treat our QA team's year-long battle story as it is in this talk.
Development processes are getting faster and faster. Many companies are incorporating agile development. The commonplace of the past is no longer the norm. In this fast-changing age, the QA industry is struggling to figure out how to deliver value. Some testers are more concerned with testing, while others aim for the certification to learn a Scrum Master/Product Owner's perspective. The excellent book, "Agile Testing" by Lisa Crispin and Janet Gregory (Addison-Wesley), which was translated in Japan in 2009 by the domestic publisher Shoeisha, has been widely read by testers in our country. Recently, however, it isn't easy to get due to out of print.
Testers tend to be seen as one of the heterogeneous entities. As you know, there is no mention in the Scrum Guide on how testing and QA activities should be done. There is no "Tester" in the three roles of Scrum. Therefore, each organization has no choice but to explore the nature of testers. In particular, there is an ongoing debate on whether or not testers should be included in Scrum. As mentioned earlier, it seems natural for Scrum practitioners to have testers join Scrum, and indeed many organizations are doing so. Still, since each has its advantages and disadvantages, it seems that we don't have an answer that works for all organizations at the moment. One of the problematic points appears to be how well testers can work cross-functionally as a "Developer" in Scrum.
With this session, which is about a QA team that chose to work independently, some attendees who feel testers should join a Scrum team may get a chance to notice the other possibility, and others may conclude that Scrum teams should still include testers. Let's take a look at the tricky relationship between Scrum and testers with the help of a year's worth of examples. -
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